仕事にも慣れ、役職がついて部下を持つ身になる人も出てくる40歳。
その年代の平均年収はいくらなのか。
業種や勤務地、会社の規模などに分けて詳しく調べてみました。
平均に比べて年収が高いのか低いのか気になる人、これから年収アップを目指して転職を考えている人は必見です。
目次
働き盛りの40歳『平均年収』が気になる

仕事に慣れ、徐々に重要なポストも任されるようになってくる40歳頃。
年次昇給や役職手当等が付き、新入社員の時代に比べるとだいぶ年収がアップしたという方も多いでしょう。
さて、新人の頃よりはアップした年収。
しかし、その金額は同年代の平均年収と比べると高いのか低いのか気になったことはありませんか?
では直接他の人には尋ねづらい平均年収について、詳しく見ていきましょう。
年収のチェックポイント

同年代の年収と比べる際に、いくつかチェックすべきポイントがあります。
それは、比較する対象の職種や性別、勤務地などです。
自分の年収と平均を比べるのであれば、自分に似た対象者の年収と比較しましょう。
その理由について、以下に述べていきます。
職種・業種
職種とは営業や経理、専門などの仕事の内容のこと。
上の例で言えば営業職や専門職のように、『〇〇職』と言い換えられるのが職種と考えるとわかりやすいでしょう。
業種は建設や小売など、事業の種類のことを指します。
こちらも同様に、建設業や小売業など『〇〇業』と言い換えるとわかりやすいですね。
こうした事業内容や職種により、年収にも偏りがあります。
今後年収アップを目指した転職を検討しているのであれば、現在の職種・業種よりも平均年収が高い場所を探してみましょう。
勤務地
日本国内には東京のような人口も企業も多い土地から、交通機関も少ない土地まで色々あります。
大都市であれば物価が高くなりますが、その分年収もアップします。
反対に物価が安い土地は、年収も低い傾向に。
とはいえ物価と年収が概ね比例しているので、その土地で暮らす分には問題ないと考えている人も多いようです。
ちなみに年収と満足度に関して、週刊現代で面白い記事がありましたのでご紹介しておきます。
今後年収アップを目指している方は、ぜひ一度読んでみてください。
会社の規模
従業員数や支店の数など、会社の規模はさまざま。
全国に支店を持っていて、従業員も数万~数十万にも上る大手企業もあります。
業績が良い大手企業であれば、株式投資をする投資家から人気が出ます。
つまり、株式が売れて益々会社の使える資金は潤うようになるのです。
すると、従業員へもしっかり還元できるので年収が上がりやすくなります。
一方、中小企業の場合は大手企業に比べると平均年収の額が下がります。
ただし、なかには少数精鋭で高い給料を支払っている企業もあるので中小企業すべてが低年収かといえばそうではありません。
性別
ひと昔前までは40代の会社員というと男性が多くを占めていましたが、最近では女性の姿も多く見かけるようになりました。
トラックやタクシーの運転手など、男性ばかりであった職場に女性が参入するようにもなっています。
企業側も女性の雇用を目指し、女性が働きやすい環境づくりに力を入れている場所も増えてきているようです。
とはいえ、平均年収の面で見るとまだまだ男性の方が高いのが現状。
その理由には、女性のライフスタイルがあります。
女性の場合は男性と比べると、育児にかける時間が長くなります。
授乳の問題や子どもの希望などさまざまな要因により、時短勤務やパートなどの雇用形態にならざるを得ない。
こうした理由から、仕事にかける時間が長い男性に比べるとどうしても平均年収が下がってしまうのです。
【職種・業種別】40歳の平均年収

ここからは、実際に各平均年収についてご紹介していきます。
まずは、職種・業種別の平均年収から。
下記の表をご覧ください。
【職種】
順位 | 職種 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | 専門職 | 680 |
2 | 企画・管理系 | 625 |
3 | 技術系(IT/通信) | 600 |
4 | 営業系 | 595 |
5 | 技術系(電気/電子/機械) | 570 |
6 | 金融系専門職 | 540 |
7 | 技術系(建築/土木) | 495 |
8 | 技術系(メディカル/化学/食品) | 490 |
9 | クリエイティブ系 | 480 |
10 | 販売/サービス系 | 405 |
11 | 事務/アシスタント系 | 375 |
【業種】
順位 | 業種 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | IT/通信 | 620 |
2 | 金融 | 595 |
3 | 総合商社 | 580 |
4 | メディカル | 570 |
5 | メーカー | 560 |
6 | インターネット/広告/メディア | 530 |
7 | 専門商社 | 525 |
8 | 建設/プラント/不動産 | 510 |
9 | 小売/外食 | 470 |
10 | サービス | 465 |
※参考サイト:転職・求人doda
職種では『専門職』が高給
上表のとおり、職種の中で1番平均年収が高いのは専門職です。
専門職とは公認会計士や中小企業診断士など、難関かつ業務独占の資格を持つ人だけが就くことが可能な職種のこと。
資格の難易度が高く、受験資格に縛りがあるものほど高い年収を得やすくなります。
ただし狭き門であるため、転職して手軽に年収アップとはいかない世界でもあります。
40代から転職を1から目指そうとなると、相当の努力が必要となるでしょう。
その一方で、難関資格だからこそ30代後半~40代でようやく資格をとり専門職に就くという人も少なくはありません。
その仕事に就きたいという強い意志があるのであれば、本気で転職を目指してみることをおすすめします。
業種では『IT・通信系』が高給
WEBやソフトウェアなどインターネット社会の日本を支えるのが、IT・通信系の業界です。
人々のニーズに合うもの。
未来に売れるもの、期待されるものを見極めること。
センスと実現する能力を持ち合わせるプロであるからこそ、これだけの年収を得られるのでしょう。
その反面、業務内容の厳しさや過密スケジュールが原因で離職を考える人も少なくないようです。
こうした勤務状況を揶揄して、IT土方といった呼び方をする人もいます。
とはいえ職場環境の改善等を取り組む企業も増えており、今後はもっと働きやすい状態になっていくことでしょう。
【勤務地別】40歳の平均年収

都道府県ごとの平均年収は、以下のとおりです。
順位 | 都道府県 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | 東京 | 687 |
2 | 大阪 | 589 |
3 | 神奈川 | 540 |
3 | 愛知 | 540 |
5 | 山口 | 491 |
5 | 宮城 | 491 |
5 | 三重 | 491 |
5 | 福岡 | 491 |
5 | 福井 | 491 |
5 | 広島 | 491 |
5 | 兵庫 | 491 |
5 | 奈良 | 491 |
5 | 長野 | 491 |
5 | 栃木 | 491 |
5 | 徳島 | 491 |
5 | 千葉 | 491 |
5 | 静岡 | 491 |
5 | 滋賀 | 491 |
5 | 群馬 | 491 |
5 | 京都 | 491 |
5 | 岡山 | 491 |
5 | 茨城 | 491 |
5 | 石川 | 491 |
24 | 和歌山 | 442 |
24 | 山梨 | 442 |
24 | 山形 | 442 |
24 | 北海道 | 442 |
24 | 福島 | 442 |
24 | 新潟 | 442 |
24 | 長崎 | 442 |
24 | 富山 | 442 |
24 | 鳥取 | 442 |
24 | 大分 | 442 |
24 | 島根 | 442 |
24 | 埼玉 | 442 |
24 | 高知 | 442 |
24 | 熊本 | 442 |
24 | 岐阜 | 442 |
24 | 鹿児島 | 442 |
24 | 香川 | 442 |
24 | 愛媛 | 442 |
24 | 岩手 | 442 |
43 | 宮崎 | 393 |
43 | 佐賀 | 393 |
43 | 沖縄 | 393 |
43 | 青森 | 393 |
43 | 秋田 | 393 |
※参考サイト:平均年収.jp
地域別トップは『東京都』
同率順位が目立つ上表ですが、その他の地域から頭1つ飛び出ているのが東京都です。
大手企業はこぞって東京に拠点を置き、皇居や官邸など日本の主要人物が暮らす。
そんな大都市だからこそ働く人々に還元されるお金も、そして給料を得た人々が支払うお金も多くなります。
お金の動きが激しい場所は経済が活発になる。
経済が活発になるということは、そのぶん手元に入るお金も大きくなる(年収が増える)。
こうした理由から、地域別年収のトップ3は「東京」「大阪」「神奈川」といった大きな都市が占める結果となったようです。
地域別ワーストは『沖縄県』
表で見ると、秋田や青森などと同率の沖縄県。
しかし、全年代の平均年収でみるとその数値は他県のなかでもワーストになってしまいます(詳細はこちらをご参照ください)。
その理由としては就職先がないこと、働き手がいないことが挙げられます。
仕事がないから県外に出ていく。
県外に出ていく人が多いから、就職先が減っていくというサイクルになってしまうのですね。
では沖縄県民の人が苦労しているかといえば、そうでもありません。
自然豊かな土地で、なおかつ物価が安い沖縄県は住みやすい土地として人気。
その証拠として、慶応義塾大学が調査した都道府県別地域しあわせ風土スコアでは堂々の第1位となっています。
【会社の規模別】40歳の平均年収

企業の規模では平均年収にどのような差が出るのか、詳しく見ていきましょう。
順位 | 規模 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | 大企業 | 661 |
2 | 中企業 | 551 |
3 | 小企業 | 506 |
※参考サイト:平均年収.jp
平均額トップは『大企業』
規模による平均年収の結果は、多くの方が想定するとおりではないかと思います。
では、なぜ大企業が平均年収のトップに来るのでしょうか。
これは資本金の多さが関係しているようです。
資本金が大きいということは、会社の経営状態が安定しているとも考えられます。
経営が安定していれば、それだけ従業員に給料として還元することができますね。
この結果に関しては、国税庁でも下記のように述べています。
平均給与を企業規模別にみると、資本金2,000万円未満の株式会社においては425万円(男子517万円、女子258万円)となっているのに対し、資本金10億円以上の株式会社においては635万円(男子732万円、女子334万円)となっている。
国税庁|平均給与
平均額ワーストは『小企業』
前述のとおり、資本金の多さは年収にも影響します。
そこから考えると、個人経営など資本金が少ない小企業に関しては年収が少なくなる傾向にあるということですね。
先ほど引用した国税庁によると、個人企業の平均年収は270万円とのこと。
ただし、小企業のなかには競合他社が少なく特定の層から支持を得ているような企業もあります。
また地域に根差し、その地域での売り上げが良い企業なども存在します。
こうした企業の場合には、資本金が少なくても年収が高くなる可能性があるようです。
【性別】40歳の平均年収

男性と女性、それぞれの平均年収をご紹介します。
性別 | 平均年収(万円) |
---|---|
男性 | 598 |
女性 | 300 |
※参考サイト:平均年収.jp
『男性』の方が高い傾向にある
上表は40代男女の平均年収です。
数値をみると、男性と女性の平均年収には大きな差があります。
参考の同サイトによると、20歳の平均年収は男性が200~240万円。
女性は160~190万円と、差は40~50万円ほどです。
ところが、40歳になると男女の差は300万近くにまで開いています。
これは、最初でもお伝えしたように女性のライフスタイルが密接に関わっていると考えられます。
入社したばかりの20歳前半では、女性も仕事中心の生活が可能です。
ところが、20代後半~30代ともなると結婚や妊娠により転職や退職をする女性の数が増加。
その結果、勤務時間の短縮や雇用形態の変化などにより年収が下がってしまうのです。
反対に男性は結婚をすれば家族を養うために、昇進や昇給を目指します。
こうした違いから、男女の平均年収は年齢とともに開いていく傾向にあるようです。
年収をもとにライフスタイルを考える

40歳ごろになると、段々と老後の問題も現実味を帯びてきます。
とはいえ、いざ貯蓄をしたくても部下や後輩ができる年代。
交際費などで思わぬ出費が嵩むこともあるでしょう。
「気がつかないうちに支出が増え、老後資金が不足してしまった」
なんて、ゾッとしない話ですよね。
こうならないためには、現在から退職までの年収を参考にライフプランを立てることが大切です。
今後のライフプランを立てるためには、現状のライフスタイルを考えることが第1段階。
無駄な出費がないか、きちんと収支を見直してみましょう。
また、お金の使い過ぎを防止するためには、年収や年代に合わせたお小遣い制の導入がおすすめ。
下記のページではお小遣いの平均額について紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。
記事内の情報は2019/10/05時点のものです。
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