厚生年金の保険料はいくらなのか・上限はあるのか?

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税金

厚生年金保険料は、会社員の多くが無意識に支払っているお金ですが、企業が給与から予め差し引いているため、手元に届く給与明細をみると「こんなに引かれている」と思う方もいますね。

しかし、その厚生年金の保険料がどういったものなのかが理解すれば、厚生年金保険料を納めるのに億劫になりませんよ。

厚生年金保険とは?

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そもそも厚生年金保険とは一体何のことなのかと言いますと、簡単に言うと年金です。

厚生年金保険は、厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する会社員や公務員などで70歳未満の人が加入する公的年金制度になります。

年々少子高齢化や若者の職離れもあり、給付年齢が上がってきていますが、恐らく現在勤めている20代以上であれば、70歳の誕生日の時点で支給がされます。

厚生年金保険の加入者(被保険者)は、厚生年金制度を通じて国民年金にも加入しているのが特徴です。

国民年金部分にあたる「基礎年金」と「厚生年金」の両方を受け取ることになるのでお得ですね!

また、厚生年金保険は『厚生年金保険法』にもとづき、国によって管理され、給付が行われていますので、「将来貰えないかも?」という心配はありません。

50年後年金が貰えない?

必ず支給されます。現在の20代の若者が50年に渡り保険料を納めていて、支給はしません!という事態に陥れば暴動は免れませんのでありえません。ただし、給付金額は下がり、納めている分の回収はできないでしょう。(払い損となる)

年金についてはこちらをご覧ください。

日本年金機構

国民年金と厚生年金の違い

では、国民年金と厚生年金の違いはいったいなんでしょうか?簡単に説明します。

年金は3階建と言われています。

1階部分の基礎年金

これが『国民年金』と言われている部分です。

日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者全員が対象となります。

被保険者の種類によって第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類に区別されていますが、基本的には国民全員が加入が義務付けられていますので区分種類については、あまり気にしなくていいでしょう。

2階部分の被用者年金

これが『厚生年金』と言われている部分です。

民間企業で働く従業員、公務員および私立学校の教職員で70歳未満の者が対象で、基礎年金の上乗せとして報酬比例年金を支給されます。

簡単に言うと、芸能人やパート、アルバイト自営業などは該当しません。

派遣社員や契約社員は対象です。

この厚生年金まで加入していれば、国民年金と厚生年金ダブルで支給されます。

3階部分の企業年金

運用系の年金となります。この3階部分の対象の人は限られています。

『確定給付企業年金』とは、企業が従業員と給付の内容を約束して、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができる確定給付型の企業年金制度です。

企業等が厚生労働大臣の認可を受けて企業年金基金を設立する「基金型」と、労使合意の年金規約を企業等が作成したものを、厚生労働大臣の承認を受けて実施する「規約型」があります。

『厚生年金基』とは、企業が従業員と給付の内容を約束し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができる確定給付型の企業年金制度です。

企業や業界団体等が厚生労働大臣の認可を受けて設立する法人である厚生年金基金が、年金の資産を管理・運用して年金給付をしますが、国の年金給付のうち老齢厚生年金の一部を代行するとともに、厚生年金基金独自に金額アップをします。

企業年金連合会

厚生年金の保険料について

出典元:写真AC

厚生年金保険料は、毎月の給与と賞与に一定の保険料率を掛けます。

その保険料を事業主(会社)と被保険者が半分ずつ、労使折半という形で負担します。

ワンポイント

保険料率は2017年9月以降18.3%で固定されており、そのため被保険者の負担分は給与及び賞与額の9.15%分となります。この18.3%の保険料は今後上がることがないと国が発表しています。

保険料の計算式

厚生年金保険料の計算方法は、被保険者標準報酬月額標準賞与額に、それぞれ保険料率を乗じて出します。

また、被保険者と事業主は、厚生年金保険料の半額をそれぞれ負担します。

詳しくはこちらをご覧ください。

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料表

あくまでも目安としてみてください。

また等級は年金機構が発表したpdfには1から31までありますが、抜粋して平均的な月額報酬の15等級から31等級までを紹介します。

厚生年金保険料額表

等級 月額 報酬月額 全額 折半額
15 22万円 21万円〜23万円 3万4,980円 1万7,490円
16 24万円 23万円〜25万円 3万8,160円 1万9,080円
17 26万円 25万円〜27万円 4万1,340円 2万0,670円
18 28万円 27万円〜29万円 4万4,520円 2万2,260円
19 30万円 29万円〜31万円 4万7,700円 2万3,850円
20 32万円 31万円〜33万円 5万880円 2万5,440円
21 34万円 33万円〜35万円 5万4,060円 2万7,030円
22 36万円 35万円〜37万円 5万7,240円 2万8,620円
23 38万円 37万円〜39.5万円 6万420円 3万0,210円
24 41万円 39.5万円〜42.5万円 6万5,190円 3万2,595円
25 44万円 42.5万円〜45.5万円 6万9,960円 3万4,980円
26 47万円 45.5万円〜48.5万円 7万4,730円 3万7,365円
27 50万円 48.5万円〜51.5万円 7万9,500円 3万9,750円
28 53万円 51.5万円〜54.5万円 8万4,270.円 4万2,135円
29 56万円 54.5万円〜57.5万円 8万9,040円 4万4,520円
30 59万円 57.5万円〜60.5万円 9万3,810円 4万6,905円
31 62万円 60.5万円〜 9万8,580円 4万9,290円

標準報酬月額

標準報酬月額について説明します。

基本的に毎年1回決められます。その1年間を通して適用されて基礎になる給与額は12カ月のうち1カ月分ではありません。

4月から6月の3カ月の平均額が『標準報酬月額』となります。

事業主(会社)は、7月1日時点で使用している全社員の被保険者の3カ月分の平均給与額を算出して日本年金機構などに届出をしたものを、厚生労働大臣が各標準報酬月額を決定します。

これで決まった標準報酬月額は同年9月から翌年8月までの間に、各月に適用されることを『定時決定』と呼びます。

4月から6月の各月においては、正社員の場合、支払基礎日数と呼ばれる給与計算の対象となる日数が基本的に17日以上なければなりません。日給制であれば出勤日数が支払基礎日数となり、月給制や週休制の時は暦日数になります。

雇用開始時期の都合やストライキの発生による日数の問題があった時や、適正な給与額になるよう調整されます。

パートやアルバイトなどの立場で、一定の所定労働時間、雇用期間、賃金などの要件を満たす短時間労働者の場合は、各月の支払基礎日数11日以上で定時決定の対象となります。

定時決定のほかには随時改定と呼ばれる方法もあります。

定時決定が原則年に1回の定期的な保険料決定の機会なのに対し、随時改定は状況の変化に応じた非定期的な保険料決定の機会なので、主に被保険者の報酬が大幅に変更された時、定時決定を待たずに標準報酬月額を改定する方法です。

対象となるためには次の3つの要件を全て満たさなくてはなりません。

  1. 昇給及び降給や単価変更など固定的賃金に変動があること。
  2. 変動月から3カ月間の残業手当など、非固定的賃金含む報酬平均額に対応する標準報酬月額が、それまでと比べ2等級以上変わったこと。
  3. 3カ月間の各月における支払基礎日数が17日以上あること。
  4.  

3つめの要件は、特定適用事業所に勤める短時間労働者の場合は11日以上となります。この3要件を満たす場合は基本的に随時改定の対象になるので、休職時に休職給を受けた時などは対象から外れます。

2等級以上の変動があっても固定的賃金と非固定的賃金の増減具合によっては対象にならない場合もるので注意しましょう。

標準賞与額

先ほどの標準報酬月額とは少し違います。

支給された1回の税引き前の賞与額から1,000円未満を切り捨てたものです。

例えば・・・

4月・5月・6月の平均給与額25万5,000円として、賞与が41万500円の従業員(厚生年金基金なし)の場合

【毎月の給与にかかる厚生年金保険料】
厚生年金保険料額表によると、25万5,000円は17等級です。

標準報酬月額は26万円

厚生年金保険料=26万円×18.300%×1/2(労使折半)= 2万3,790円

【賞与にかかる厚生年金保険料】
賞与41万500円(1,000円未満を切り捨て)→ 標準賞与額41万円

厚生年金保険料=41万円×18.300%×1/2(労使折半)= 3万7,515円

標準報酬月額、標準賞与額が高くなると厚生年金保険料が高額になります。

その代わりとして、将来の給付時には年金などがその分多く支給される仕組みになります。

厚生年金保険料を支払う時・免除の時

厚生年金保険料は基本的に月単位で計算されます。

会社など事業所に月の途中から入社した際は、入社日に被保険者の資格を取得します。その月の分から保険料を支払うことになります。

一方で会社を月の途中で退職した際は、資格喪失日が属す月の前月分までを納めることになります。

注意が必要なのは、資格喪失日とは退職した日の翌日です。つまり月の末日に退職した場合、翌月の1日が資格喪失日になるのですが、そうなると末日でない日に退職した場合より、1カ月分多く保険料を払うことになってしまいます。

免除される場合とは、産前産後休業や育児休業の期間中です。

産前産後休業期間とは、一般的に産前42日、産後56日のうち、妊娠もしくは出産のために労務に従事しなかった期間のことを指します。

育児休業期間は、満3歳未満の子どもを養育するための育児休業及び育児休業に準じる期間ですので、その期間中は厚生年金保険料を納める必要がありません。

また、国民年金に切り替わったタイミングでも厚生年金に入っているパターンもあります。これは離職した後に会社側の手続きが遅くなった場合になります。

そういった場合、一旦間違って支払い(天引きされた)場合は返金対応をしてもらえます。特にこちら側からするのではなく、年金機構から案内があるのでそれに従えば問題はありません。

休業後の厚生年金保険料

産前産後休業や育児休業からの復帰後は、以前ののように保険料を支払うことになります。

休業後は、大きな負担になります。その点を踏まえ、休業後は通常の随時改定の要件を満たさなくても、標準報酬月額が改定できるような措置が設けられています。

どういった事なのかと言いますと、休業終了日の翌日のその月から3カ月の間に受け取った報酬の平均額にします。そして、4カ月目からの標準報酬月額を決定し直せるという措置ですが、条件として2つあります。

  1. これまでの標準報酬月額と改定後の標準報酬月額を比較した時、1等級以上の差が生じることです。
  2. 休業終了後の翌日のその月から3カ月のうち、少なくとも1カ月は支払基礎日数が17日以上の月があること。
  3.  

2つの要件を満たしていれば、被保険者が申出書を事業主に提出し、さらに事業主が日本年金機構へ届出をすることで金額が決まります。

産前産後休業と育児休業どちらの場合も要件、手続きは基本的に同じです。

給与額の減少とともに標準報酬月額、保険料が下がった場合に、将来受け取る年金額まで下がらないようにした特例措置もあります。

これは養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置と言われます。

子どもの養育期間における給料の低下を将来の年金額に影響させないために設けられたものです。

育児休業後の厚生年金保険料

育児休業が5月までで終わったとします。

6月より職場復帰となった人が短時間の勤務を希望して、その結果給与が下がることになりました。それまでの標準報酬月額は34万円とします。

6月の給与は24万円とします。

7月は24万5,000円で8月は25万円で、復帰月の6月を含む8月までの3カ月間の平均給与額は24万5,000円です。

平均額24万5,000円は、上の表を見てもらえればわかりますが、16等級の報酬月額23万円から25万円の範囲に該当しますね。

16等級の標準報酬月額は24万円となり、育児休業以前の標準報酬月額34万円に対応する21等級からは1等級以上下がったことになります。

この場合は2点の条件を満たしているので9月から適用されます。

適用は翌年8月までとなります。月々の保険料は34万円に9.15%を掛けた額、3万1,110円から24万円に9.15%を掛けた額、2万1,960円に下がります。

https://life.link-a.net/job/11991/

記事内の情報は2019/10/06時点のものです。

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