ふるさと納税で税金控除を受けるためには、ワンストップ特例制度の申請が必要です。確定申告よりも楽に税金控除の申請ができることで多くの寄付者から支持を集めています。
そんなワンストップ特例制度は、申請の際に必要なものや申請書の書き方など知っておかなければいけないことがあります。当記事ではワンストップ特例制度に関する情報を網羅した解説をしていきます。
目次
【ふるさと納税】ワンストップ特例制度とは?

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税で寄付をした後に寄付金控除が受けられる制度です。今まではふるさと納税で寄付をした際は確定申告を済ませなければ寄付金控除を受けることができませんでした。
自分で確定申告をする必要がない会社員の方や、そもそも確定申告の必要がない方などにとって確定申告という事務作業は面倒。そこで総務省は平成27年4月1日からふるさと納税の制度改正をおこない、ワンストップ特例制度が創設されました。
ワンストップ特例制度で控除される金額は?
規定の条件を満たした方にワンストップ特例制度が適用される仕組みになっており、指定された方法で申請をおこなうことで、寄付金額から2,000円を差し引いた金額が住民税から控除されます。
ワンストップ特例制度を利用することで実質的な自己負担金が2,000円のみになりますが、寄付金が控除されるのは上限額範囲内で寄付をした金額のみです。
例えば、寄付金上限額30,000円の方が上限額いっぱいまで寄付をおこなうと、28,000円が住民税から控除される仕組みです。
ご自身の寄付金上限額を確認したい方はふるさとチョイスの計算ツールを活用してください。
住民税から控除されるのはいつ?
ふるさと納税の寄付金に関してワンストップ特例制度の申請をおこなうと、寄付をした翌年の6月~5月の住民税が控除される仕組みになっています。
例えば、2019年1月1日~12月31日までの間に寄付した場合は、ワンストップ特例制度を介すことで2020年6月~5月までの住民税が控除されるのです。
確定申告をしないため所得税の還付がありませんが、所属税の控除分住民税が控除される仕組みとなっています。
控除された住民税は翌年6月頃自宅に届く住民税決定通知書で確認することができます。
ワンストップ特例制度の申請条件
ワンストップ特例制度は簡単に寄付金控除の申請ができる一方、以下のように条件が設けられています。
- 確定申告の必要がない給与所得者
- 1年間の寄付先が5自治体以内
給与所得者の中でも年収2,000万円を超える方は確定申告が必要なため、ワンストップ特例制度を利用することができません。
また、寄付先の自治体の数が例え1つのみだとしても、寄付をした回数が5回を超えている場合もワンストップ特例制度を利用することができないためご注意ください。
【ふるさと納税】ワンストップ特例制度申請時の必要書類

ワンストップ特例の申請をおこなうために必要なものを解説していきます。ワンストップ特例制度はふるさと納税で寄付をした自治体の数分申請をおこないます。いくつも寄付をしていきたいと考えている方は、この機会に申請に必要な書類一式を覚えておきましょう。
必要書類は3種類
①寄附金税額控除に係る申告特例申請書
ワンストップ特例制度の申請用紙が必要です。基本的には寄付先の自治体が寄付者に送ることになっていますが、万が一送付されてこないときや、寄付後早めに申請書類を送付したいといったときはポータルサイトでダウンロードするのがおすすめです。
さとふるやふるさとチョイスなどの大手ポータルサイトには必要書類が完備されています。
②本人確認書類2点
ワンストップ特例制度で寄付金控除を受けるためにはマイナンバーが必要です。そのため、必要な本人確認書類は2点で、マイナンバーカードや通知カード所持の有無により必要な書類が異なります。若干分かりづらい点があるため、ご自身の必要な本人確認書類は以下の表を参考にしてください。
マイナンバー確認書類 | 本人確認書類 | |
---|---|---|
マイナンバーカード所持者 | マイナンバーカード裏面のコピー | マイナンバーカード表面のコピー |
通知カード所持者 | 通知カードのコピー |
運転免許証 運転経歴証明書 パスポート 身体障害者手帳 在留カード 特別永住者証明書 上記いずれかのコピー |
マイナンバーカード 通知カード不所持者 |
マイナンバーが記載された住民票の写し | 同上 |
【ふるさと納税】ワンストップ特例制度の申請方法

ここからはワンストップ特例制度の申請方法を解説します。
ワンストップ特例制度申請の流れは次の通りです。
- 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」の記入
- 申請書・本人確認書類2点のコピーの用意
- 封筒・切手の準備
- 寄付をした自治体へ郵送
いざ申請書類を作成する際に慌てないよう、1つ1つ覚えていきましょう。
①申請書の記入
まずは『寄附金税額控除に係る申告特例申請書』の記入をおこないましょう。
- 提出日の記載(令和〇年〇月〇日)
- 氏名・住所・性別・電話番号・生年月日の記載
- 個人番号(マイナンバー)の記載
- 寄付年月日及び寄付金額の記載
- チェック項目(2箇所)の記載
- 捺印
ワンストップ特例制度の申請書に記載する情報は主に上記の通りです。寄付金控除のためにマイナンバーは必須であるため、必ず入力するようにしてください。
また5.のチェック項目は、ワンストップ特例制度の適用条件をクリアしているか確認するためのものです。
①地方税法附則第7条第1項(第8項)に規定する申告特例対象寄附者である
→こちらは確定申告や住民税の申告をする必要のない方のみチェックしてください
②地方税法附則第7条第2項(第9項)に規定する要件に該当する者である
→こちらはふるさと納税の1年間の寄付先が5自治体以下であるか確認するためのチェックボックスです
ふるさと納税のポータルサイト『ふるさとチョイス』にワンストップ特例制度の申請書記入例が紹介されていますので、記入に不安のある方はチェックしてください。
申請書記入例→ふるさとチョイス
②郵送手配
『寄附金税額控除に係る申告特例申請書』の記入を終えたら、申請書と本人確認書類2点を封筒に入れて郵送します。
申請書の郵送先は寄付をおこなった自治体宛てです。各自治体の住所が分からない方は、寄付をおこなう際に利用した各ポータルサイトのマイページ、もしくはさとふるの『申請書類を自治体へ送付する』というステップから検索することができます。
さとふるの検索ページはコチラ
「申請書を郵送ではなくWebサイトに入力して送ることはできないの?」と疑問に感じている方がいるかもしれませんが、税金に関わる申請書で捺印が必須となっているため、郵送以外の申請方法は今のところ(2019年5月現在)ありません。
注意点
ワンストップ特例制度の申請は期限が定められています。2019年1月1日~12月31日までの寄付金額に関しては、2020年1月10日必着となっています。申請期限に間に合わなかった場合はワンストップ特例制度の利用ができないため、確定申告をするしかありません。特別な事情により申請に遅れが生じた際は、自治体へ相談することで期限を延ばしてくれる可能性もあります。
申請書類に不備がないよう確実に

ワンストップ特例制度の申請は郵送手続きであるため日数がかかります。申請書類に不備が見つかると、送付先の自治体から返送されてくるため、申請手続きに多くの時間と手間が掛かってしまいます。ワンストップ特例制度の申請が1度で済むよう書類作成時に何度も確認するよう心掛けてください。
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