ふるさと納税の問題点とは?

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税金

総務省の見直しでふるさと納税はどう変わるのか徹底解説!

現行のふるさと納税の良い点

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現在の法律の元を運用されているふるさと納税は、2018年には日本全国で約300万人が寄付金控除を活用し、日本各地の返礼品を自己負担2,000円で受け取るようになるほど、制度として大きな成長を遂げました。
ここでは現行のふるさと納税の良い点に着目してみます。

自分が居住していない自治体にも納税をすることができる

元々ふるさと納税の本来の趣旨の中には、自分が応援したい自治体を見つけてそこに自分の住民税を支払うというものもありました。
芸能人やスポーツ選手などで大成した後も地元への感謝を示すために、住民票を地元に残し住民税を支払っていたというケースもよく聞かれます。
一般の人でもこのような大変なことをしなくても、応援したいと思っている自治体に居住していなくても住民税を納税できるというのは、現行のふるさと納税の良い点の一つであると認識されています。

地場産品を返礼品と選択することで、地域経済が潤う

ふるさと納税の返礼品は、基本的には地元でとれたもの、生産されたものを選ぶことがルールになっています。
地元で採れた野菜や果物、お米や海産物を返礼品として送付することで、その自治体が生業にしているのかふるさと納税者にアピールすることができます。
当然これらの農産品などを提供している農家や漁師などから返礼品として買い上げることになるので、地域経済は循環することになります。
結果的にふるさと納税で地場産品を返礼品として選択することが、地域経済を潤すことになるんです。

ふるさと納税創設当初から抱えている問題点

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ここまで現行のふるさと納税の良い点について確認してきました。
ふるさと納税は、大都市に流れた住民税を地方に納税者の主体的な意志で還流させると言うその本来の趣旨をある程度達成できています。
しかしながら現行のふるさと納税の制度自体に問題点を抱えていないわけではありません。
ここでは、ふるさと納税が創設当初から抱えている問題点についてご紹介します。

受益者負担の原則から逸脱している

教育や福祉といった住民サービスは、そのサービスの利用者がサービスにかかる費用を負担するべきであるという基本的な考え方があります。
これを受益者負担の原則といいます。
ふるさと納税をすることによって、本来居住している自治体に収められるべき税金が他の自治体に納付されます。
これによって、居住している自治体の住民サービスが低下する恐れがあります。
同時に、同じ自治体の中であってもふるさと納税をしている人としていない人とでな自分だけ住民サービスを受けているのに、ふるさと納税をしていない人の方が多く税金を支払うことになります。
これはすなわち、ふるさと納税をしている人がふるさと納税をしていない人に対して割安に住民サービスを受けることを意味します
受益者負担の原則から言って、これは不公平であるという議論が存在するのは確かです。

大都市ほど税収減に苦しめられる

ふるさと納税の原資は時代に収められる住民税です。
人口が多い都市に居住している人がふるさと納税を行うことで、大都市は大きな税収減を被ることになります
2018年には首都圏の一都三県で合計して1,166億円もの税収減に苛まれました。
東京都だけで645億円、横浜市103億円もの税収減でした。
参考記事;日本経済新聞「1都3県自治体ふるさと納税で「減収」1166億円超に

大都市の税収減は一部補われる

ふるさと納税はその制度上、このような事態が発生することは想定されていたので、失われた税収を補填する制度も有しています。
ふるさと納税によって失われた税収の75%は地方交付税交付金が上乗せして支払われます。
これによってふるさと納税で生じた税収減をすべて自治体が被ることはありません。
しかしながら、東京都23区や川崎市などの地方交付税不交付団体では、地方交付税交付金の上乗せによる税収減の補填もありません
すなわち、ふるさと納税による減収分はそのままそっくり被らなければならなくなります。
40億円もの税収減であった世田谷区では、公立学校の建て替え費用がまるまる失われたと試算しています。

ふるさと納税が集まるのは一部の自治体だけである

ふるさと納税創設当初から疑問視されていたのは、国民の善意だけで本当にお金が足りない地方自治体にお金が回るのかという点です。
端的に述べれば、魅力的な返礼品を用意できる自治体にのみ、ふるさと納税のお金が集まるのではないかということです。
この疑問は現実のものとなりました。

最近浮上したふるさと納税の問題点

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ふるさと納税創設当初から、ふるさと納税によって税収がくまなく地方自治体にまわるのかは疑問視されていました。
はたしてこの疑問は現実になりつつあります。

ふるさと納税勝ち組の台頭

ふるさと納税の返礼品に関するルールを破ることで、ふるさと納税をする人にとって魅力的な条件をしているし他の自治体よりも突出して多くのふるさと納税を集める自治体が続出しました。
代表的な例で言えば、大阪府泉佐野市や静岡県小山町などが挙げられます。
これらの自治体はどのようにして多くのふるさと納税を集めたのでしょうか。

高還元率商品を返礼品として扱う

一般的なふるさと納税はお米や海産物など、寄付額の3割以下の調達額の返礼品を扱います。
しかしながらふるさと納税勝ち組の自治体は、商品券や旅行券、家電製品などを返礼品として扱いました。
その結果、高還元率であることが国民の注目を集め、多くのふるさと納税を集めることに成功しました。

地場産品でない商品も数多く取り揃える

ワンストップ特例制度を上手についた例もあります。
ワンストップ特例制度を活用するためには、1年間でふるさと納税をする自治体を5つ以下に絞る必要があります。
地場産品でない商品も数多く取り揃えることで、自治体で集中的にふるさと納税をしようという利用者のニーズを汲み取りました。
これもルール違反ではありますが、結果的に多くのふるさと納税を集めることができました。

ふるさと納税の3割ルールを守ったら、ふるさと納税が集まらなくなった

やはりふるさと納税に大きく影響を与えるのは経済原理のようです。
総務省の要請に従ってふるさと納税の返礼品の調達額を寄付金の3割に収めたところ、ふるさと納税の申込数が前年の1/20にまで減少したというケースも出てきています。
出典;朝日新聞「ふるさと納税「3割」守ったら…寄付額20分の1に衝撃
ふるさと納税は、国民の善意によって成り立っているわけではなさそうです。

ルールが一新されたふるさと納税の今後に注目

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ここまで現行のふるさと納税の問題点についてご紹介してきました。
2019年3月に改正地方税法が成立し、2019年6月から新しいルールの下でふるさと納税が行われるようになります。
この法律改正によって返礼品に関するルールが厳格化され、総務省によるふるさと納税を行う自治体の監督権も強化しました。
ルールが一新されたふるさと納税の今後にも注目していきたいものですね。]]>

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