ふるさと納税と総務省の関係は?

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税金

ふるさと納税を取り仕切る中央省庁です。
ここでは、ふるさと納税導入の背景を中心に、総務省のかかわりについてご紹介します。

ふるさと納税導入の経緯

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2018年にはふるさと納税額は約3,481億円にものぼりました。
年を追うごとに連れて人気が高まっているふるさと納税ですが、ふるさと納税導入にはどのような経緯があったのでしょうか。

ふるさと納税が検討されるきっかけ

ふるさと納税の導入の陣頭指揮をとったのが、当時の菅義偉総務大臣でした。
東京や名古屋、大阪などの大都市圏に人口が集中しその結果として集められる住民税が偏っているというのが当時からの問題認識でした。

成功したスポーツ選手は住民票を地元においている

ふるさと納税導入の契機となったエピソードでよく語られるのは、成功したスポーツ選手が生まれ育った国に税金を納めるために、住民票は未だに地元に置いているというものです。
住民票を置いているところに毎年住民税を納めることになるので、税金を納めるという形で郷土愛を示す方法が注目されるようになりました。

自分の応援したい自治体に住民票を移す

同様のエピソードとして、当時の長野県知事であった田中康夫が、県庁所在地の長野市から下伊那郡泰阜村に引っ越しをしたというのもあげられます。
田中康夫知事はこの理由を、厳しい財政状況でありながらも在宅福祉の普及に勤める自治体を応援したいという意向があったと述べています。

2008年ふるさと納税の受付開始

2008年にふるさと納税は制度として確立され、寄付金の受付を開始しました。
このとき創設に携わった菅義偉総務大臣は、田中康夫知事の言動に少なからず影響を受けたと述べています。
ふるさと納税は、日本にあまり根付いていない寄付をする文化を制度として支援する最初の例となりました。

ワンストップ特例制度の運用開始

ふるさと納税を開始してから7年経ってもそれほどまで普及が進んでいませんでした。
その理由の一つとして、ふるさと納税による寄付金控除を受けるためには確定申告をする必要があるということが挙げられます。
日本の労働人口の多くを占めるサラリーマンは、多くの人が確定申告をせず会社が代行してくれる年末調整のみで対応している人が多かったのです。
そこで導入されたのがワンストップ特例制度です。
ワンストップ特例制度では以下の条件を満たした場合に、確定申告をすることなく寄付金控除を受けることができます。

  • 年末調整などを確定申告をする必要がない給与所得者
  • 1年間のふるさと納税の寄付先が5つ以下
  • 寄付先自治体にワンストップ特例申請用紙を翌年の1月10日までに提出している

ワンストップ特例制度が整備されたことによって、ふるさと納税の寄付申込額は飛躍的に上昇することになりました。

ふるさと納税を取り巻く現況

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ここまでふるさと納税の設立の経緯をご紹介してきました。
ふるさと納税が現場でどのようになっているのか、確認していきましょう。

ふるさと納税の利用実績

総務省が毎年発表している資料の中に、「ふるさと納税に関する現況調査結果」があります。
この資料の中では、ふるさと納税で集まった金額の合計や、ふるさと納税をした人の人数、ふるさと納税によって控除された税金の金額などをまとめられています。
以下の表にふるさと納税の利用実績として、ふるさと納税額を年度ごとに表にまとめました。

年度

2009年

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ふるさと納税額 [億円] 73 66 67 649 130 142 341 1,471 2,566 3,482

この表を見ると、ワンストップ特例制度が導入された2015年以降のふるさと納税額が飛躍的に伸びていることはお分かりいただけるかと思います。
それほどまでに制度的障害を取り除いた、ワンストップ特例制度の貢献度合は大きいのです。

過熱するふるさと納税集金競争

ここまで大きな金額を税収とし取り入れることができれば、低迷する地方自治体の経済状況を大きく改善することができます
このためあの手この手でふるさと納税を集めようとする自治体間の競争が激しさを増して行きました。
ふるさと納税の返礼品には以下の二つのルールが定められています。

  • 返礼品の調達額が寄付金3割以下に抑えられていること
  • 地場産品

しかしながら、これらのルールを守らせる法律が存在していなかったために、このルールを破って返礼品を用意する自治体が続出しました。

ふるさと納税勝ち組の筆頭は大阪府泉佐野市

このように多額のふるさと納税を一方的に集めることができた自治体を、ふるさと納税の勝ち組と呼ぶ風潮もあります。
大阪府泉佐野市は、数年前までは財政再建団体に指定されており、会社でいえば言わば倒産寸前でした。
泉佐野市はワンストップ特例制度に着目し、1000種類を超える返礼品を用意することでふるさと納税利用者を囲い込みました。
その結果2018年度には497億円のふるさと納税を集めました。
これは前年比で3.7倍の大きな成長であり、同市の一般会計予算が517億円であることを鑑みると、市の予算1年分を稼いだことになります。

総務省の反省と反撃

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一つの自治体にふるさと納税が集中している状況は、ふるさと納税の導入時に掲げられた本来の理念から逸脱していると、総務省は考えています。
このような状況を是正するために総務省も対応策を講じ始めます。
ふるさと納税の問題点とは?

度重なる総務省からの要請

ふるさと納税の返礼品に関するルールが守られなくなった現状を踏まえて、総務省は2017年と2018年の春に、ルールを守ったふるさと納税を行うよう全国の自治体に通達を出しています。
この通達によって、一部の自治体は総務省の要請通り返礼品に関するルールを守るようになりました。
しかしながらふるさと納税の勝ち組である泉佐野市や静岡県小山町などはこの要請を無視し、それまでと同じようなふるさと納税の返礼品を提供し続けました。

総務省の反撃

このような事態に触発された総務省は、本格的な反撃をすることになりました。
2019年3月22日に、ふるさと納税の勝ち組の自治体に対して、特別交付税交付金の減額を突如として打ち上げました
特別交付税交付金は総務省が各地方自治体に分配している地方交付税の一部です。

  • 大阪府泉佐野市 1億9,500万円減額
  • 静岡県小山町 7,400万円減額
  • 和歌山県高野町 2億3,300万円減額
  • 佐賀県みやき町 2億900万円

金額自体はふるさと納税で集められた金額に比べれば大きなものではありません。
しかしながら総務省の反撃はまだ続くのです。

改正地方税法の成立

2019年3月に改正地方税法が国会で成立しました。
これによって総務省はふるさと納税の監督権を強化することができました。
返礼品の調達額は3割以下に抑えられ、地場産品のものしか返礼品として認められません。
さらにルールを繰り返し破るなどした自治体には、総務省がふるさと納税をする許可を取り消すことができると定められました。
この法律が施行されるのは2019年の6月です。
それまでに我々消費者は現行のふるさと納税の恩恵を享受しておきましょう。

総務省は健全なるふるさと納税を取り仕切ってほしい

総務省は健全なるふるさと納税を取り仕切ってほしい-アイキャッチ
ここまでふるさと納税と総務省の関係についてご紹介してきました。
2019年6月から施行される改正地方税法によって、現行のふるさと納税の制度は変更され、より多くの自治体にふるさと納税がされることが期待されています。
総務省はこれからもふるさと納税を所管する中央省庁として、健全なふるさと納税が盛り上がるよう監督をして欲しいものですね。]]>

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