ふるさと納税を始めるにあたって、何税が減税されるのか、控除額はいくらなのかなどの基本的な情報を把握しておくことが大切です。ふるさと納税の基礎情報や注意点を知らずにふるさと納税を始めると、のちに損をしてしまう可能性もあります。
当記事ではふるさと納税における減税や控除額の仕組み、確定申告のやり方などを解説していきます。
ふるさと納税で減税されるのは何税?

ふるさと納税は『納税』という言葉が入っている通り税金に関係性があります。ふるさと納税の仕組みや減税される税金の種類を把握し、ふるさと納税の利用に役立ててください。
はじめに!ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税とは、地方自治体に寄付(納税)することで返礼品を受け取れる制度です。
われわれ一般市民が支払った税金は、公共事業や社会保障などに割り振られるため、居住地を管轄する税務署や自治体(市区町村)に納付するのが原則です。

しかし、人口が少ない地方自治体は税収が極端に少ないため、過疎化が進んでいくばかりです。そこをなんとかしようと始動したのがふるさと納税です。
ふるさと納税を活用すれば、一定の上限額範囲内の金額のみ自分の居住地以外の地域に納税ができるのです。簡潔にまとめると、自分の住んでいる地域に払うべき税金を地方自治体に納税するのがふるさと納税です。
ふるさと納税で減税されるのは住民税と所得税!
ふるさと納税を利用すると、住民税の控除と所得税の還付を受けられます。ただ、確定申告をする場合とワンストップ特例制度を活用するケースでは控除される内容が異なります。あとで「知らなかった…」とならないよう、申請方法により異なる減税の知識を習得していきましょう。
確定申告の場合
ふるさと納税の寄付分を確定申告した場合、所得税の還付と住民税の控除がおこなわれます。
- 所得税の還付…毎年5月頃、確定申告時に記載した銀行口座へ還付金の振込
- 住民税の控除…毎年6月以降に支払う住民税の減税
所得税は還付金が直接振り込まれることで確認でき、住民税の控除は毎年5月~6月頃に発行される決定通知書により確認できます。
ワンストップ特例制度の場合
確定申告をすることで所得税が還付されます。したがって、ワンストップ特例制度を利用した場合は住民税のみが控除され、所得税の還付は受けられません。住民税の控除状況は確定申告時と同じく、毎年5月~6月頃に発行される決定通知書によって確認できます。決定通知書に『寄附金税額控除』という項目があり、そこで確認ができます。
事前に減税の具体的な金額を確認する方法
ふるさと納税を利用する前に具体的な減税額を知りたいという方は、以下の計算式を参考に算出してください。
- 所得税の還付=(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(所得税の税率×1.021)
- 住民税の控除(基本分)=(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×10%
- 住民税の控除(特例分)=(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(90%-所得税率×1.021)
- 減税額=1+2+3
減税額の算出が面倒くさいという方は、必要事項を入力するのみで自動計算してくれるシミュレーションサイトの利用がおすすめです。
トータルして減税効果はあるの?
ふるさと納税は納税控除限度額以内の寄付であれば2,000円の自己負担のみで済む制度です。2,000円以外の寄付金額は税金という形で控除されますが、収める税金額の合計額が変わるかどうかは個々人の年収やほかの税金控除により変わってきます。正確な減税効果を確かめたい方は、減税効果を事細かく調査できるかいけいセブンの利用がおすすめです。
その他ふるさと納税に関する注意点

ふるさと納税の減税に関して、知っておかなければいけないことがまだまだあります。注意点を交えて解説していきますので参考にしてください。
納税控除限度額
納税控除限度額とは
所得税の還付や住民税の控除といった税金の減税には、限度額が定められています。自治体に寄付をする際に納税控除限度額を超えてしまうと、超えた分の寄付金は減税対象になりません。納税控除限度額の範囲内で寄付をすれば2,000円のみの自己負担で済みますが、万が一納税控除限度額を超えてしまった場合は自己負担金が増えてしまいます。
自分の納税控除限度額を把握しないまま寄付をすると、「減税されてない…」と後悔することになりますので、ふるさと納税を始める前に必ず限度額の確認を済ませておきましょう。
納税控除限度額の計算方法
納税控除限度額の計算方法はお住いの市区町村により異なりますが、ある程度の限度額を知っておきたい方は以下の早見表を参考にしてください。
寄付者本人の給与収入 | 独身or共働き | 夫婦 | 共働き+高校生の子供1人 | 共働き+高校生の子供1人 | 夫婦+高校生の子供1人 | 共働き+大学生と高校生の子供1人づつ | 夫婦+大学生と高校生の子供1人づつ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
300万円 | 2万8,000円 | 1万9,000円 | 1万9,000円 | 1万5,000円 | 1万1,000円 | 7,000円 | なし |
350万円 | 3万4,000円 | 2万6,000円 | 2万6,000円 | 2万2,000円 | 1万8,000円 | 1万3,000円 | 5,000円 |
400万円 | 4万2,000円 | 3万3,000円 | 3万3,000円 | 2万9,000円 | 2万5,000円 | 2万1,000円 | 1万2,000円 |
450万円 | 5万2,000円 | 4万1,000円 | 4万1,000円 | 3万7,000円 | 3万3,000円 | 2万8,000円 | 2万円 |
500万円 | 6万1,000円 | 4万9,000円 | 4万9,000円 | 4万4,000円 | 4万円 | 3万6,000円 | 2万8,000円 |
550万円 | 6万9,000円 | 6万円 | 6万円 | 5万7,000円 | 4万8,000円 | 4万4,000円 | 3万5,000円 |
600万円 | 7万7,000円 | 6万9,000円 | 6万9,000円 | 6万6,000円 | 6万円 | 5万7,000円 | 4万3,000円 |
650万円 | 9万7,000円 | 7万7,000円 | 7万7,000円 | 7万4,000円 | 6万8,000円 | 6万5,000円 | 5万3,000円 |
700万円 | 10万8,000円 | 8万6,000円 | 8万6,000円 | 8万3,000円 | 7万8,000円 | 7万5,000円 | 6万6,000円 |
750万円 | 11万8,000円 | 10万9,000円 | 10万9,000円 | 10万6,000円 | 8万7,000円 | 8万4,000円 | 7万6,000円 |
800万円 | 12万9,000円 | 12万円 | 12万円 | 11万6,000円 | 11万円 | 10万7,000円 | 8万5,000円 |
850万円 | 14万円 | 13万1,000円 | 13万1,000円 | 12万7,000円 | 12万1,000円 | 11万8,000円 | 10万8,000円 |
900万円 | 15万1,000円 | 14万1,000円 | 14万1,000円 | 13万8,000円 | 13万2,000円 | 12万8,000円 | 11万9,000円 |
950万円 | 16万3,000円 | 15万4,000円 | 15万4,000円 | 15万円 | 14万4,000円 | 14万1,000円 | 13万1,000円 |
1,000万円 | 17万6,000円 | 16万6,000円 | 16万6,000円 | 16万3,000円 | 15万7,000円 | 15万3,000円 | 14万4,000円 |
正確に知りたい人はシミュレーターで!
他の税金控除と併用する場合は注意を!
税金控除の種類
ふるさと納税以外にも税金控除ができる方法があります。
- 医療費控除…年間医療費10万円以上の方に適用
- 雑損控除…災害や盗難によって存在を受けた方に適用
- 社会保険料控除…国民健康保険や国民年金を支払った際の控除
- 地震保険料控除…地震保険料を支払った方に適用
ちなみに、ふるさと納税の利用により受ける控除は寄付金控除に分類されます。
控除額が変わる場合も
ふるさと納税と医療費や住宅ローンなどの各種税金控除を合わせて利用することで、税金控除額が変わる可能性があります。事前にシミュレーターで確認しておくことが大切です。
ふるさとプラスのシミュ―レーターでは、給与収入や保険料、住宅ローン減税などの項目を入力することで、控除額に影響が生じるか確認することができます。いくつかの税金控除を併用している方は確認しておくことをおすすめします。
確定申告が必要になる場合
ふるさと納税利用者のほとんどがワンストップ特例制度を利用していますが、以下の条件に当てはまる方は確定申告が必要です。
- 1年間に寄付した自治体数が6自治体以上
- 給与所得者以外で生計を立てている方
確定申告が必要な方が申請をしなかった場合、税金控除を受けられないため、ご自身の状況をあらかじめ確認しておくことが大切です。
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