育休中でも「ボーナス」はもらえる?その基準や注意点を解説

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コラム

育休中も勤務率の計算は行われますが、ボーナスが支給されるかどうかは就業規則の定めによります。

ボーナスの評価期間中に勤務日数があれば、ボーナスをもらえる可能性があります。育休を利用することで保険料が免除され、ボーナスの手取りが多くなります。

育休中は出勤しているとみなされるの?

育休中は出勤しているとみなされるの?

労働基準法第39条第7項においては、以下の内容が規定されています。

「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第一号 に規定する育児休業又は同条第二号 に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。」

本来、育休中は出勤していませんから、実務上は欠勤扱いということに疑いがありません。しかし、出勤率の計算においては、育休中の期間も出勤したものとみなして計算しなければならないのです。 その影響を最も受けるのは「年次有給休暇」でしょう。

有給休暇は出勤率が関係しているので、育休期間中を欠勤扱いにするとほぼ確実に有給休暇にも影響します。有給取得に際して不利益にならないように、育休中も出勤率の計算上は出勤扱いにする必要があるのです。 

育休中にボーナスはもらえるの?

育休中にボーナスはもらえるの?

それでは、本題に移ります。育休中でも「ボーナス」が支給されるかどうかについてですが、結論から述べるとこれは「会社の就業規則次第」ということになります。

先ほど「有給休暇」の話をしていますが、これは労働基準法第39条によって一定の条件を満たした労働者に対して付与することが義務付けられています。つまり、法律によってきめられていることなので、会社によって条件が異なるということはありません。 一方で、ボーナスの支給は法律によって義務付けられていません。

つまり、ボーナスの支給については会社と労働者の合意により決められ、就業規則においてその支給の内容が規定されるということになります。 育休中のボーナス支給についても同様であり、就業規則に何と規定されているかによって支給されるかどうか、支給されるのであればその計算はどのように行われるかが決められています。

就業規則で規定されている内容を覆すことは難しいですが、逆に規定されていない内容であれば考慮する余地があるということでもあります。

問題なのは、就業規則は会社ごとに異なるということ、つまり育休中のボーナスの取り扱いについても会社によって大きく異なるということです。極端な話、普通に働いている場合と同じ程度のボーナスがもらえる人もいれば、全くボーナスがもらえないというケースもあるのです。

同じ条件で育休を利用中の人がいても、勤め先が異なれば就業規則も異なるので、育休中のボーナスの取り扱いについても違いが生じます。 これから育休を利用しようとする人は、その前に就業規則を確認しておきましょう。

土壇場でトラブルになるよりは、自分がボーナスをもらえる立場であるかどうかを事前にきちんと把握しておくことをおすすめします。 人によっては「育休で休んでいるのに、ボーナスをもらうなんて」と罪悪感を感じる可能性もあるかもしれません。

しかし、就業規則で支払われる権利があることが確実ならば、もらえるものはもらっておきましょう。出産と育児は何かとお金がかかるのですから、もらう権利があるお金はきちんともらって、使うべきところに使えるようにしておくべきでしょう。

育休中のボーナス支給額はどんな基準で決まるの?

育休中のボーナス支給額はどんな基準で決まるの?

では、育休中のボーナスの取り扱いは、具体的にどのような基準で決まるのでしょうか。重要なポイントは「評価期間」と「支給要件」です。

「評価期間」とは、ボーナスの支給に当たって支給額等の評価の対象となる勤務期間のことです。もし、育休中に評価期間が到来して評価期間中全く出勤できなかった場合には、ボーナスがもらえない可能性が高くなります。

ただし、就業規則の定めによるため、この点は就業規則を確認しないとわかりません。 「支給要件」とは、ボーナスを支給するために満たすべき条件です。

例えば「ボーナスの支給日に会社に在籍していること」などであり、在籍自体は育休でもしているので問題はありません。

ただし「評価期間中、すべての日に出勤している」などの具体的な要件が設定されている場合には注意が必要です。

では、評価期間の一部について出勤していた場合はどうなのでしょうか。この場合、全期間の勤務を条件とするなどの支給要件が設定されていない限り、出勤した分に相当するボーナスを支払ってもらう権利を主張できます。

就業規則に規定されていない内容については考慮する余地があると考えられるため、就業規則をきちんと確認しておくことが重要です。 

育休中のボーナスがもらえないケース

育休中のボーナスがもらえないケース

育休中でもボーナスがもらえる可能性がある一方で、全くもらえないケースもあることについては先ほど触れていますね。

では、具体的にどのようなケースだと育休中にボーナスが支払われないのでしょうか。 まずは「評価期間中に全く出勤していない場合」です。育休に入ってから評価期間が到来した場合、評価期間中に育休が終わらないと評価期間中に出勤していないことになります。

この場合、支給額を評価する期間中の出勤日数がゼロなので、ボーナスがもらえなくても文句は言えないでしょう。

次に「支給要件を満たしていない場合」です。仮に評価期間中に1日でも出勤日数がある場合であっても、支給要件を満たしていなければボーナスは支払われません。

例えば「評価期間中、全日数の出勤を要件とする」などの場合だと、育休中にはボーナスがもらえない可能性が高くなります。 基本的に「就業規則にどのように規定されているか」が、育休中でもボーナスがもらえるか、もらえないかの分かれ道となります。不明な点があれば上司に確認を取るなどして対処してください。

男性が育休を活用するとボーナスが増やせる!?

男性が育休を活用するとボーナスが増やせる!?

最後に「男性の育児休暇」を利用した、ちょっとした裏ワザについて解説したいと思います。これを利用することでボーナスの手取りを数万円~数十万円増やせる可能性があるのです。 そのカギを握るのは「社会保険料」です。

社会保険料は健康保険料や厚生年金保険料であり、これは毎月の給料だけでなくボーナスからも差し引かれて支払っています。育休を利用することによって、これらの社会保険料を差し引かれずにボーナスを受け取ることができるのです。

育休の取得中は、健康保険および厚生年金の保険料が免除されます。つまり、保険料が免除されるタイミングでボーナスが支給されれば、ボーナスにかかる社会保険料が免除され、その分だけボーナスの手取りが多くなるということです。

ただし、育休を取得すれば無条件で保険料が免除されるというわけではありません。育休中における保険料免除の条件は、育児休業等開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)までの期間中にボーナスが支給されることです。

育休の取得日数によっては保険料免除を受けられない可能性があるので、日数が短い場合には月をまたぐことをおすすめします。 男性の場合、女性と比較して育休の取得に自由度があります。

もちろん、ご家庭の事情によっては取得のタイミングを調整できない可能性もあるでしょうが、もし育休の取得にある程度の自由度があるのであれば、ボーナスが支給されるタイミングを見計らって育休を取得することをおすすめします。

なお、保険料の免除期間中も被保険者資格に変更はなく、保険給付には育児休業等取得直前の標準報酬月額が用いられます。つまり、この制度を利用して保険料を免除されても、受給資格等に問題が生じることは基本的に無いということですので安心してください。

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