2019年6月には老後に公的年金だけでは生活費が足りなくなるとして、一人2,000万円程度の預貯金が必要となるとした金融庁のレポートは国民に大きな衝撃を与えました。
老後の生活の柱となるのは公的年金であることには変わりはないのですが、終身雇用が制度として崩壊をした現代日本において、サラリーマンであっても自営業の方であっても老後に向けて何らかの資産づくりに取り組まなければならないのは必定です。
誰でも簡単に資産を積み上げることができるとして、根強い人気を誇っているのが株式投資です。
この記事では日中忙しいサラリーマンであっても株式投資で収益を上げて、老後の生活の資金をたくわえるためにはどのような戦略をとればよいかについてご紹介します。
サラリーマンが株式投資をする理由

サラリーマンは、自営業や会社経営の方と異なり、会社に勤めることで定期的に保障された収入と、定年退職後にはまとまった退職金を受け取れるとして、比較的資金に関して安定性を有している職業です。
そんなサラリーマンがなぜ株式投資をする必要があるのでしょうか。
サラリーマンが株式投資をすべき理由についてご紹介します。
株式投資であげた収益にかかる税率は一定
サラリーマンの方は必ず毎月給料という形で収入が保障されています。
多くの企業の場合出世すればお給料は増加することになります。
お給料が増加するということはそのぶんだけ所得税を支払う必要があります。
日本では所得税は他の先進国と同様に累進課税制度が採用されています。
お給料の額が大きければ大きいほどを支払うべき所得税も大きいというのが累進課税制度の特徴です。
所得税は最大で45%、すなわち稼いできた額の半分程度まで所得税として支払わなければならない可能性があります。
一方で株式投資を始めとした金融商品の売買もしくは配当金などにかかる税率は、どれだけ稼いでも20.315%に固定されています。
この税率累進課税にしてしまうと、投資によって得られた収益の多くが税金として吸い取られてしまうことを嫌がる海外投資家が、その潤沢な資金を日本の金融商品を購入するのに使ってくれなくなってしまう恐れがあります。
税率が固定されているということは、大きな収益をあげたとしても所得税のようにそのぶんだけ多く税金を支払わされるリスクがありません。
これが、サラリーマンが株式投資をすべき理由の1つ目です。
株主優待などで様々なサービスを得ることができる
サラリーマンは多くの場合平日のほとんどを会社の労働に費やしています。
これはすなわち自分で自由に使える時間が非常に短いことを意味しています。
したがって休日などに意識して自分の知らないことに挑戦をしないと、仕事のことのみに視野が狭まってしまうという弊害があります。
サラリーマンが株主優待券を配布しているような企業の株券を保有したとします。
一定期間の保有の後株主優待券を受け取ることで、通常出回っているクーポンよりもお得に様々なサービスを受けられる可能性が高まります。
この株主優待券を活用することによって、少しでも外の世界についての見聞を広めることができます。
これもまたサラリーマンこそが株式投資をすべき理由なのです。
サラリーマンには株式投資は向いているのか

ここまでサラリーマンが株式投資をして、金融資産を増やしていくべきである理由についてご紹介してきました。
それではサラリーマンと言う稼業についている人は、株式投資に向いているのでしょうか。
サラリーマンは株式投資に向いていると考えられる理由
まずは、サラリーマンが株式投資に向いていると判断することができる理由についてご紹介します。
サラリーマンは収入が安定している
サラリーマンの強みは、自営業や会社を経営している人と違って、自らの収入が安定しているということです。
すなわち今の時点から未来に向けてある程度未来の生活の見通しを持つことができます。
そして今のお給料は生活費を差し引いたお金を、定期的に貯金や投資などに振り向けることができます。
これは毎月一定金額のお給料が得られることによります。
したがって給料が入るたびにコツコツと株式を買い集めても良いですし、ある程度の期間貯金して一定の金額が溜まった時に高配当銘柄を購入する、などの株式投資に対しての様々な戦略が選択肢に入ってきます。
収入が安定しているということはそれだけ資産形成をする上では重要なことなのです。
株式投資の元金以外に初期投資なしで始めることができる
株式投資は、現物取引であれば証券会社に証券口座を開設して株式を購入すればそれで始めることができます。
もちろん株式を購入するのに元金は必要ですが、逆に言ってしまえばそれさえあれば誰でも始められるのが株式投資の良い点です。
不動産投資などもサラリーマンの高い信用性を利用して高額なローンを組むことができるため、高いレバレッジをかけられることから投資効率がよく、サラリーマンには向いていると言われています。
しかし、不動産投資では購入した物件が想定していたよりも空き部屋の期間が長く予想していたような本当に収益をあげられないなどのリスクもあります。
株式投資の現物取引であれば、元本割れのリスクはありますが、基本的には不動産投資のような借金を抱えるようなことは起きづらいです。
このように正業を全うしながらも副業として、リスクが少なく安定して収益をあげられる可能性があるという点で、サラリーマンには株式投資は向いているといえます。
サラリーマンは株式投資に向いていないと考えられる理由
反対に、サラリーマンが株式投資に向いていないとも判断することができます。
その理由とはどのようなものがあるのでしょうか。
株式投資に取り組むための時間を確保することができない
株式投資に正面から向き合ってそこで大きな収益を上げようと考えた場合には、当然のことながら株式投資に対して勉強する必要があります。
採用する投資手法によって株価のチャートなどいるテクニカル分析や、企業の決算情報や経理情報などからその会社の株価があがるかどうかのファンダメンタルズ分析など、確実に収益をあげたいと思えば思うほど仕入れるべき情報は増えていきます。
株式投資に対する知識だけではありません。
適切なタイミングで株券を売買することで収益を上げるためには、市場が開いている時間は常に株価の動きをウォッチングしていなければなりません。
このように実取引をするためにも、一定の時間が必要であるため、サラリーマンに株式投資は向いていないと考えることもできます。
サラリーマンは株式投資で勝つためには高配当銘柄を狙うべき
以上のような情報を踏まえると、サラリーマンが株式投資で収益を上げるためにはデイトレーダーのように短い期間で株式の売買を繰り返すことで収益を上げるという戦略を取るのはあまり好ましいとは言えません。
サラリーマンが狙うべきは高配当銘柄を長期間保有することでインカムゲインによって資産を増強させていくことです。
この戦略であれば、日中忙しい時間帯でも市場に張り付いている必要はありません。 長期間保有することを前提としていますので、企業の急激な成績悪化や倒産が意識されるような不祥事を除いて、日々の株価の上下動は些細なものとして無視することができます。
このように株式投資に対してあまり多くの時間をかけなくとも、コツコツと収益をあげられるようにするのが、サラリーマンにとって取るべき株式投資の戦略であると言えます。
サラリーマンが投資で勝つには、適切な投資戦略が必須!

サラリーマンは一般的には日常生活の多くの時間を会社での労働に費やしてしまうため、株式投資などはあまり向いていないのではないかという風潮が大勢を占めていました。
しかしながら日銀のマイナス金利政策により、銀行に預金しているよりも企業の配当利回りの方が圧倒的にコストパフォーマンスに優れるようになりました。
このような環境でも周囲に流されず、適切な投資戦略を策定し実行することによって、サラリーマンでも株式投資で収益を上げる可能性を高めることができるでしょう。
こちらも参考にしてください。
執筆日:2019/06/18
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