2006年から導入が始まった「子育て支援パスポート事業」。国と自治体が進める子育て支援制度は、現在すべての都道府県が取り組みを行っています。子育て中のママにとってメリットのある制度であるにも関わらず、知らない人も多いのではないでしょうか。
協賛する会社も増え、子供連れでお店や施設を利用する際に、おむつを替えるスペースがあったり、パスポートを入手しておけば割引やサポートを受けられるありがたい制度。妊娠中から使えることもあるお得な制度です。
使わないと損!子育て支援パスポートを知っていますか?

知っている人は使っていて、知らない人には全く知られていないという国の制度。内容を調べてみると結構お得な制度であることがわかります。
子育て支援パスポートとは
子育てしやすい社会の実現を目的に、国と地方自治体、企業が連携し、子育て世帯をサポートしようという取り組みです。
妊娠中や子育てをしている世帯が、この事業に協賛しているお店を利用する際に、自治体が発行するカードやアプリなどのパスポートを提示することで、割引やサービスを受けることができます。
子育て支援パスポート事業の概要についてはこちらをご覧ください。
子育て支援パスポートは都道府県ごとに違う

2019年8月現在、47都道府県すべてが「子育てサポート支援事業」を行っています。
子育て支援の施策は、自治体それぞれに行われてきたものであり、石川県などの先進事例が、国の後押しをもとに全国的に広がったもの全体を「子育て支援パスポート」と呼んでいます。
そのため、パスポート事業の名称やパスポート発行の要件、協賛企業、サポートの内容は各都道府県それぞれに異なっています。
各都道府県の「子育て支援パスポート」の名称、パスポートの意匠、各都道府県の事業管轄部署へのリンクはこちらをご覧ください。
内閣府 「子育て支援パスポート事業全国共通展開参加自治体リンク集」
利用できる年齢
東京都の場合、パスポートが利用できる対象を、
「都内在住の18歳未満のお子様がいる、または妊娠中の方がいる世帯」
としています。47都道府県全体を見ると、2018年に内閣府の行った調査では、約7割の自治体が中学生以下の年齢要件を設けているようです。また、約6割の自治体が「妊婦の利用も可」としています。
いつどこからもらえるの?
都道府県に申請手続きを行い、パスポートが交付されるのが基本的な流れですが、自治体によって、
- 転入・出生の手続きをすると送られてくる。
- 小学校や幼稚園で配布される。
- インターネットで申請・登録。
といったケースもあります。
子育て支援パスポート事業の今後の展開
内閣府では、2010年時点で約22万店であった協賛店舗数を、2020年に44万店舗に拡大するという数値目標を掲げています。それに伴って、各自治体ともに利用者の拡大と、協賛店舗の加入促進に取り組んでいます。

それと並行し2018年から、上のロゴを自治体のパスポート上に取り入れることをはじめとする全国共通展開が進められ、都道府県をまたいだ相互利用ができるようになってきています。
自治体によって利用者側の対象条件とサービス・サポート側の内容が異なるため、例えば、埼玉や群馬、茨木など近接する6県は、申請して条件を満たせば、他の5県のパスポートを入手できるといったもの、大阪、京都、兵庫を含む西日本9県は、大阪府のパスポートのみ他県で使用できるなど、共通化も進んでいます。
割引・サービス

「子育て支援パスポート」でどんなサービスや割引が受けられるのかを具体的に見てみます。
動物園や遊園地などレジャー施設
東京都 | 恩賜上野動物公園(台東区上野公園8-93) |
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総合案内所と西園食堂に、授乳スペース、粉ミルクのお湯の提供、オムツ替えスペース、トイレのベビーキープを設置しています。 公園内の上野パーキングセンターでは、粉ミルクのお湯の提供と、30分のサービス券プレゼントがあります。 |
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千葉県 | マザー牧場(千葉県富津市田倉940-3) |
大人100円、子ども50円の割引があります。 | |
神奈川県 |
ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石小塚山1285 |
授乳・休息室、絵本を置いたキッズコーナー、トイレにオムツ替えベッドとベビーキープを設置しています。 パスポート提示で5名まで100円の割引があります。 |
お買い物の割引やサービス
47都道府県 | 日本マクドナルド(全国の店舗) |
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パスポート提示でハッピーセットのチーズバーガーセット(ポテト・ドリンク・おもちゃ付き)が100円割引されます。 | |
東京都 | ソフトバンク蓮根(東京都板橋区蓮根3-1-1) |
ベビーカー入店可のほか、現金で一括購入の場合に10%の値引きがあります。 | |
大阪府 | ココカラファイン(東大阪市御幸町1-1) |
ベビーミルク、ベビーおむつの購入金額1,000円以上で、30ポイントを提供しています。 |
便利なアプリが使える都道府県も
協賛店舗を利用する時に提示するパスポートの形態は、 カード、クーポン券、チラシ、スマホ画面など自治体によってさまざまです。そのなかで、スマホのアプリを活用する自治体が増えてきています。
2019年8月17日時点で確認できたところでは、東京、神奈川、京都、鹿児島、石川、長野、長崎、愛媛がアプリで「子育て支援パスポート」を提供しています。
ほとんどの都道府県のアプリで、協賛店舗の検索機能があるようです。
この記事の情報は2019/08/18時点のものです。
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