不動産投資を始めるときや、物件を探しているときなど、『利回り』という言葉を必ず目にします。
利回りとは、元金に対する利息や利益配当などのことを指しますが、不動産業界で用いられる利回りにはいくつか種類があります。
そこで当記事では、不動産の利回りについて徹底解説していきます。利回りの種類や計算式についてもご紹介しますので、この機会に利回りの知識をマスターしておきましょう。
目次
不動産の利回りについて

不動産業界で使われる『利回り』には、次のようなものが当てはまります。
- 表面利回り
- 実質利回り
- 満室想定利回り
- 税引き前利回り
- IRR(内部収益率)など
このように不動産の利回りは種類がたくさんありますが、不動産のプロ同士のみが使う利回りも交じっているのが現状です。
全ての利回りを網羅するよりも、まずは一般的に使われる不動産の利回りを抑えておきましょう。
不動産の利回りとは?
不動産の利回りとは、不動産投資額に対する家賃収入の割合のことです。
不動産投資を行う際は、利回りを重視して話を進めていきます。そのため、不動産における利回りの意味合いはしっかりと覚えておく必要があります。
不動産の利回りは2種類
不動産のプロは5種類以上の利回りを知識として覚える必要があります。
ただ、不動産投資を検討されている一般の方は、2種類の利回りを抑えておくのみで十分です。
ここでは、グロス利回りとも呼ばれる『表面利回り』、ネット利回りと呼ばれる『実質利回り』について解説していきます。
①表面利回り(グロス利回り)
表面利回りとは、1年間の家賃収入を不動産の購入価格で割った指標のことです。
税金や管理費といった不動産の維持にかかる諸経費は考慮されないほか、物件の満室を想定した上で算出していきます。
表面利回りでは、不動産に空室が生じた場合においても『満室想定の収入』を算出するため、「必ずこの程度の利益が見込める」といった絶対価格を出すことはできません。
表面上の数字のみを算出するのが『表面利回り』なのです。
②実質利回り(ネット利回り)
不動産の実質利回りとは、固定資産税や管理費、保険料、修繕積立金などといった不動産の運用にかかる諸経費が加味された指標のことです。
不動産投資を始めたあと、実際にどれほどの手取り収入を得ることができるのか、現実に即した数字を把握できるのが実質利回りの特徴です。
ただ、不動産投資に係る経費や部屋の空室状況を含め、実質利回りは『流動的なもの』であるがゆえに、表面利回りに比べ正確な利回りの算出が難しいというデメリットもあります。
【不動産】利回りの計算方法を解説

表面利回りや実質利回りの意味を把握した後は、各利回りを用いた計算方法を解説していきます。
実際に不動産を探す際は、不動産のプロから利回りを教えてもらうこともできますが、自分で計算できるようになると物件の選びやすさや不動産の管理力がアップしていきます。
ここでは、各利回りの計算式と共に計算例もご紹介しますので、現在検討中の物件がある方は実際に利回りを算出してみましょう。
①表面利回りの計算式
表面利回りは、空室が生じた場合においても、市場家賃の相場によりどれほどの利益を得られるのか計算していきます。
そんな表面利回りの計算式は、以下の通りです。
表面利回りの計算式
表面利回り=年間家賃収入(満室想定)÷物件価格×100
不動産投資ブームの真っただ中である場合、不動産の物件価格が高くなるがゆえに、利回りも低くなります。
そのため、表面利回りの目安というものは存在しません。
RC造や木造、築年数などによっても利回りに変化が生まれるため、表面利回りはあくまで参考程度に抑えておくのが良いでしょう。
表面利回りの計算シミュレーション
土地・物件価格3,000万円、年間家賃収入120万円のケース
120万円÷3,000万円×100=利回り4%
②実質利回りの計算式
実質利回りの計算では、諸経費が加味されるため、不動産投資における経費の目安をあらかじめ把握しておきましょう。
実質利回りの計算式
実質利回り=(年間家賃収入-年間支出)÷物件価格×100
実質利回りを求めるための数字目安が分からない方は、次の計算例を参考にしてください。
実質利回りの計算シミュレーション
土地・物件価格3,000万円、年間家賃収入120万円、年間支出20万円のケース
(120万円-20万円)÷3,000万円×100=約3.3%
不動産投資以外にも『利回り』を求める投資があります。不動産以外の投資に興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。
【不動産】利回りの計算にシミュレーターがおすすめ!

不動産の利回りを計算するのが面倒…という方は、利回りを簡単に算出できる計算シミュレーターを使うのがおすすめです。
東急リバブルが提供する計算シミュレーターでは、表面利回り・実質利回り、自己資金に対する利回りの3種類算出できます。
まずは、計算シミュレーターの公式サイトへアクセスしましょう。
①総投資額の設定

計算シミュレーターでは、まず始めに総投資額の設定を行います。検討中の物件価格、諸経費の2つを入力しましょう。
②資金計画の設定

続いて、資金計画の入力作業に移ります。ここでは、不動産の購入に自己資金をいくら入れるのか、金融機関などからいくら借り入れるのかなどを入力していきます。
借入期間は1年~35年となっています。
③賃貸条件の設定

続いては、賃貸条件の設定です。ここでは、表面利回りの算出に必要な数字を入力しましょう。
以上で計算シミュレーターへの入力作業は完了です。
必須項目の入力を終えると、ページ末尾に年間収入や利回りなどが表示されます。
不動産投資初心者の方が知っておくべきこと

不動産における表面利回りや実質利回りなど、利回りの計算式について解説しました。
不動産投資を始めるにあたって利回りは重要ですが、もっと大切なことがあります。
不動産投資初心者の方で、投資に不安な気持ちを抱いている方は、こちらの記事も参考にしてください。
記事内の情報は2019/11/07時点のものです。
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