「上京して、東京に住んでみたい」「都内でもっといい物件に引っ越したい」と考えている方は多いでしょう。しかし東京は、ほかの地方よりも家賃が高いため、物件探しは難航しがちです。これから東京の家賃相場について解説し、後半は良い物件の見つけ方についても書いていきます。
目次
東京の家賃は地方の2倍?

家賃が高いと言われる東京、単身者の平均家賃は9.9万円と確かに高額です。地方都市であれば、9万円台の家賃で一家が暮らせる場合も少なくないでしょう。地方の単身者の家賃は3〜5万円ほどが相場であると言われています。東京で暮らすには、地方の2倍の家賃を覚悟して部屋探しをする必要がありそうです。
東京23区の家賃相場ランキング

地域 | ワンルーム |
---|---|
港区 | 13.5万円 |
千代田区 | 13.1万円 |
中央区 | 12.1万円 |
渋谷区 | 10.9万円 |
江東区 | 9.8万円 |
新宿区 | 9.1万円 |
目黒区 | 9.1万円 |
文京区 | 9万円 |
品川区 | 8.9万円 |
台東区 | 8.5万円 |
墨田区 | 7.9万円 |
豊島区 | 7.6万円 |
世田谷区 | 7.5万円 |
大田区 | 7.2万円 |
中野区 | 7.1万円 |
北区 | 7万円 |
荒川区 | 6.8万円 |
杉並区 | 6.7万円 |
板橋区 | 6.6万円 |
練馬区 | 6.3万円 |
江戸川区 | 6.3万円 |
足立区 | 6.2万円 |
葛飾区 | 6万円 |
23区のワンルーム賃貸の平均家賃を、高い順に並べました。見てみると、23区の中でも平均家賃に大きな差があります。例えば1位の港区の平均家賃は、23位である葛飾区の平均家賃の2倍以上の金額です。このように東京の中でも極端に家賃の高い地域と、比較的安く住める地域に分かれます。
家賃が高い=土地が高い
家賃の相場というのは、その土地の価格によって決まるものです。港区、千代田区、中央区などは土地の値段がとても高く、物件の家賃も上がります。家賃と土地代のバランスは、基本的には崩れることはありません。そのため、高級な土地に格安の物件を見つけたら、何かしらの『安くせざる得ない状況』が隠れていると考えるのが通常です。
東京の格安物件に注意

上京の経験がある方はピンとくるかもしれませんが、東京で安く物件探しをすると、信じられないボロボロの物件に遭遇することがあります。目に見えてボロボロであれば避けようがありますが、格安物件に住んでみてから「失敗した」と思うパターンも多々あります。
設備の目に見えない不具合
部屋を内見する際、不動産屋は部屋を契約させようとなるべく物件を良く見せようとする傾向にあります。シャワーの水圧や、エアコンの効き具合、換気扇の機能性など、ライフラインが通っていなければ確認できない箇所がいくつかあります。特に換気扇は、性能が弱いとカビが生える原因になります。
「今電気が通ってないので、ちょっとわからないんですけど」と言われて引き下がり、入居した後に設備が使い物にならなかった、なんてことにもなりかねません。明らかに見た目が危ない場合は、設備の交換を頼むのはもちろん、内見の際に試運転をしてもらったり、入居直後の故障に対応してくれるかを確認することを遠慮しないようにしましょう。
周辺の治安
格安物件の理由として考えられるのが、周辺の治安に問題がある場合です。特に、部屋自体は綺麗で使いやすそうなのになぜか家賃が安い場合は要注意です。担当の不動産屋に『なぜ安いのか』きちんと説明を求めましょう。また、内見は基本的に、不動産屋の営業時間中である昼間に行われます。実際住むとなれば、夜間の物件周辺の環境も無視できません。できることなら、夜の周辺の治安を自分の目で確認しておくことをお勧めします。物件から最寄り駅まで、実際に歩いてみて危険な場所がないか確認したり、上下階の入居者の様子、さらに向かいの建物の窓と、内見した物件の窓が近すぎないかなども確認すべきポイントです。
念入りすぎると思われるかもしれませんが、実際に入居してから絶望することを思えば、絶対に確認しておくことをお勧めします。
特に東京で暮らすのであれば、騒音問題に一度は関わる覚悟をしておいた方が良いでしょう。上下階の住人と生活リズムが同じとは限りません。足音が響かないかどうかきちんとチェックすることをお勧めします。
更新料・契約期間に注意
関東地域特有であると言われる、賃貸における『更新料』のシステムは、契約時にも無視できない項目です。更新料は、賃貸の入居者を対象に数年おきに、家賃の2〜3ヶ月分の金額をオーナーに納める制度です。更新料を支払えば『契約更新』となり、引き続きその物件に住むことができます。
例えば、月額の家賃が安い代わりに、更新料を多く取る物件も存在します。対象の物件の更新は何年ごとに行われるのか、家賃の何ヶ月分を支払うのかをきちんと確認し、その物件に住むとしたら何年住むつもりなのかを加味して契約をするようにしましょう。
また、格安物件の中には入居期間があらかじめ決められているものもあります。多くの場合は明確な説明がありますが、念の為自分でも確認するようにしましょう。契約期間が決められた格安物件に入居してしまうと、数年後更新ができないため新しい部屋を探して引っ越しをしなければなりません。
設備をとるかアクセスをとるか

東京の安い賃貸は、訳ありばかりかというとそうでもありません。東京内の地域によっても家賃が上下することは前述しましたが、最寄り駅への距離によっても、家賃は大きく変動する傾向にあります。一般的に東京の単身者の移動手段は、電車がメインです。そのため、駅に近い物件は高額になり、駅から離れるほど家賃の価格は抑えられます。もし、部屋の設備のグレードを下げたくないという方は、駅から徒歩15分以上離れた、物件を候補に入れてみるのがおすすめです。
家賃を抑えて東京に住むためのポイント

最後に、家賃を抑えつつ東京で部屋を借りるためのポイントをお伝えします。ひとつの不動産屋に任せずに、並行して物件を探し、譲れないポイントは明確にしておきましょう。
地域ごとの家賃相場を知る
住みたい地域の家賃相場は、最初に把握しておく必要があります。土地の値段と家賃相場が比例することは前述しましたが、地域の人気度も家賃に関わる大きな要素です。「原宿」「青山」など、ネームバリューの感じられる地域の家賃は、跳ね上がる傾向にあります。人気の施設が周辺にある場合なども同様です。
築年数よりリノベーションを重視
新築に近い建物ほど需要が高く、土地代を回収する必要もあるので家賃は上がります。例えば、築古でも内装を綺麗にリノベーションしてある物件もあります。もし、築年数を重視して検索したり、不動産屋に問い合わせてしまうと、このような『実な綺麗な築古』を見逃してしまうことになります。家賃を抑えたいと考えているのなら、築年数の幅を少し広げてみることをお勧めします。
きになる築年数が古い物件の耐震性については、こちらのコラムを参考にしてください。
人気エリアから少し外れる
人気エリアは家賃が跳ね上がる傾向にありますが、隣駅や周辺地域は家賃が下がる傾向にあります。それでいて、人気エリアと似たような住環境が得られるので、穴場であると言えるのです。「人気エリアの周辺で、家賃が下がる地域はありますか」と担当不動産屋に問い合わせてみるのも良いでしょう。その場合『なぜ安いか』の確認は、くれぐれも忘れないようにしましょう。
一人暮らしを始めた後の節約にも興味がある方は、こちらの記事も参考にしてください。
記事内の情報は2019/11/10時点のものです。
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