ここ10年ほどで大きな注目を集めてきた断捨離(だんしゃり)と呼ばれる整理術。小耳に挟んだことはあるけれど、実際にやってみた経験のある人はそこまで多くはないのでしょうか。
また、いざやってみようとしてもうまく家の中を整理することができなかったり、勢い余って大切なものまで捨ててしまった、またはせっかく部屋を片付けたのにまたものが増えてきたという人もいることでしょう。
今回はそんな一見簡単そうに見える断捨離を、正しく行えるようそのやり方についてご紹介していきます。
目次
断捨離とは

断捨離とはその字を読んでごとく、ひたすらに物との関係を断ち切ることで家を片付ける整理術です。
断捨離の意味
断捨離という言葉は、もともと山下英子氏が自著の中で提唱した言葉で、ヨガの行法に由来します。
入ってくる要らないものを断つという「断行(だんぎょう)」、家の中にある要らないものを捨てる「捨行(しゃぎょう)」、物への執着から離れるという「離行(りぎょう)」から漢字を拝借し、断捨離という言葉が生まれたということです。
単純明快な整理術
断捨離の特徴は、何と言っても「要らないものを徹底的に廃していく」というわかりやすいスタンスで進めていくところにあるでしょう。家の中が散らかっていくのはもちろん片付けるスペースや時間があるかないかということも関わってくるのですが、そもそも片付けるものが無ければ問題は解決するわけです。
断捨離を一度行うことによって、その後も同じようなトラブルに悩まされる心配も解消できる整理術となっています。
ミニマリズムとの違い
断捨離と一緒によく紹介される言葉として、ミニマリズムという考え方があります。こちらもまた身の回りのものを整頓し、その数を少なくするという点では同じですが、この考え方で重要なのなのは、自分が大切にするものは何かということを見直すことにあります。
断捨離は物を片付ける時の思考法、ミニマリズムは毎日の生活の心がけとして必要な思想と考えると良いでしょう。
ミニマリズムについては以下の記事で詳しく説明しているため、参考にしてみてください。
断捨離のメリット

断捨離を行うことで、家庭や自分の心身に様々なメリットをもたらしてくれます。
家の中がスッキリ
断捨離は整理術ですから、まずなんといっても家の中が片付いてくれるのは嬉しいところです。今の自分に必要なものだけが家の中にある状態を作ることができるため、日々の生活の煩わしさは大きく解消されるはずです。
頭の中もスッキリ
家の中から不必要なものが消えると、頭の中もクリアーになる効果が期待できます。物に溢れている状態は確かに人によっては落ち着きを与えてくれるかもしれませんが、ずっとそれらについて悩まされるものを感じてきた人にとっては、大きな重荷からの解放を実感できるでしょう。
生活のコストパフォーマンス向上
要らないものを家から捨ててしまい、新たに買い足したりしないことによって、家の中の掃除が簡単になったり、生活費が抑えられるというメリットもあります。掃除にかかる時間や、タンスのように維持にかかる商品を購入する必要もなくなるため、財布にも優しい整理術と言えます。
断捨離の正しいやり方

それでは断捨離を成功させるために必要な方法として、どのようなステップを踏む必要があるのかについて、ご紹介していきます。
まず「もったいない」を捨てよう
まず大切なのは、「捨てるのがもったいない」という感覚を捨て去ることです。日本人のもったいないの精神は確かに美徳の1つであるかもしれませんが、断捨離をうまく成功させるためにはこの「いつか使うかもしれないから」「長年共にしてきたから」といった言い訳をやめる必要があります。
大切なのは「それ、使いますか?」
断捨離において肝心なのは、「今家にあるそれは自分が今必要としているものか」ということを考え、すぐ使うものは置いておく、それ以外は捨てるというマインドセットで取り組むことです。
出来るだけ深く考えず、すぐ使うか使わないかで簡略化しながら片付けを進めていくことが肝心です。
カテゴリ別!断捨離の手順

ここではカテゴリ別に断捨離の進め方を見ていきます。
洋服の断捨離
洋服はうっかり部屋の中のスペースをとってしまいがちな物ですが、思い切って処分していくスタンスがここでも求められます。
サイズ違いや気になるよごれ、趣味じゃないと感じたものは、とにかく処分していくようにしましょう。断捨離を終えた後には、改めて自分の洋服の趣味を振り返るきっかけにもなります。
生活用品の断捨離
キッチン用品や生活雑貨なども狭いスペースを圧迫しがちな物品です。思い出の品が集まりやすいカテゴリでもありますが、古くなってしまったパンや鍋、汚れが気になるテーブルグッズなどは思い切って処分してしまいましょう。
趣味の断捨離
コレクターアイテムなどの断捨離は苦渋の選択を迫られることも多いですが、今集める気力がないコレクションに関してはオークションなどに出品してしまうのが良いでしょう。また気まぐれに始めたスポーツ用のグッズも、長年放置している場合は処分してしまい、新たな趣味を探す方に手間暇をかけることをお勧めします。
断捨離で失敗しないためのコツ

思い切りの良い整理術である断捨離ですが、中には後悔が残ったり、失敗してしまったというケースも見られます。
断捨離に失敗するケースも
断捨離に失敗するケースの例としては、例えば勢い余って今楽しんでいる趣味に関わるものまで捨ててしまうケースです。生活に必要がなくとも、趣味は個人の楽しみの1つですから、「衣食住に関わりがないから」と言った理由で気軽に捨ててしまわないようにしましょう。ただし昔の趣味のものはどんどん処分しても問題ないでしょう。
人のものは持ち主に聞いてから整理しよう
あるいは人からの貰い物を捨て、トラブルとなるケースです。昔の恋人や長く会っていない人などからのプレゼントなどであれば処分しても問題ないかもしれませんが、現在進行形で付き合いのある人からの貰い物を捨てるのは、それが発覚した時にトラブルとなりかねないため、注意しましょう。
もしくは同居するパートナーや家族の品物などは、あらかじめ本人の意向を聞いておくようにしましょう。断捨離はあくまで自分の主観に基づいて行われるため、他人のものを勝手に捨ててしまってはいけません。
貴重なコレクションなどを処分してしまうと家庭内のトラブルの原因となったり、最悪の場合賠償請求が発生してしまう場合もあります。同居人とはいえ、自分のものと他人のものの線引きはきちんと意識しておきましょう。
断捨離で後悔する人の特徴
「あのとき捨てなければよかった・・・」と、断捨離の後に後悔してしまう人もいるかと思います。基本的に公開が長引いてしまう時は、何かの思い出の品などを捨ててしまったケースです。写真アルバムやお土産など、買い直しがきかないものはとりあえず置いておくか、動画や画像はデジタルデータに変換するという手段もあります。
また、いくら勿体無いとはいえ、ものに執着しすぎるのも後悔する人に多い特徴です。断捨離はものを捨てるだけでなく、執着心を捨てるという点でも重要な整理術だということを肝に命じておきましょう。
まとめ
断捨離を成功させるために最も重要なのは、思い切りの良さを大切にするという心構えにあります。いつか使うかもしれない、また欲しいという思いが復活するかもしれないといった「かもしれない」を捨て、前向きな姿勢で片付けに取り組みましょう。
執筆日:2019/06/01
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