年間20万円は収入や売上ではなく「所得」で判断する
フリマアプリにより商品を売買した際に確定申告が必要かどうかの基準となる金額は、20万円です。
ただし、この金額は収入や売り上げではなく『所得』で判断します。
所得とは、売上金額(=収入)から仕入れや経費を差し引いた金額のことをいいます。
つまり、商品を1,000円で販売し梱包代が100円、送料が200円かかったとすると所得金額は700円です。
このように売上金額ではなく諸々を差し引いた金額が20万円になる場合に、確定申告が必要となるのです。
年間20万円を超える所得が得られた場合には、確定申告をしないと脱税扱いになってしまうので注意しましょう。
目次
メルカリで発生する経費とは?
先ほど、経費の一例として梱包代と送料を挙げました。
メルカリではその他にも経費として計上できるものが、いくつかあります。
発生する経費として主なものは、以下のとおりです。
- 切手代
- スマホやPCの通信費
- 仕入れ値(材料費など)
この他にも、計上可能な項目はさまざま。
例えば自宅でメルカリを行う場合、光熱費を経費として計上することも可能です。
ただし、光熱費や通信費に関しては私用と公用との区別をつけなければなりません。
こうした区別をつけるために使われるのが、家事按分です。
通信費、光熱費の家事按分は通信機器の使用時間やコンセントの数などから算出します。
メルカリで確定申告が必要となる場合
前述のとおり、メルカリで確定申告が必要か否かは20万円が1つの区切りとなります。
ただし、場合によっては20万円以上でも確定申告が必要ないこともあります。
では、いったいどのような特に確定申告が不要となるのでしょうか?
確定申告が不要な例
メルカリに出品されているもので多いのが、古着やバッグなどです。
こうした生活に必要とされるもので、自身が使用していたものを販売して得た収入に関しては確定申告が不要です。
これは生活用動産の譲渡に当たるためです。
生活用動産とは家具や衣服、什器などの生活用品のことで、これらの譲渡には税金が発生しません。
ただし、1点あたりの金額が30万円を超える場合は課税対象となるため注意してくださいね。
確定申告が必要な例
では、確定申告が必要なのはどのようなケースでしょうか?
これはハンドメイド作品を販売し、20万円以上の所得を得た場合が該当します。
ハンドメイドの他に、生活用動産に当てはまらない品物による所得も確定申告が必要です。
生活用動産かどうかの線引きは、取引内容や金額で異なる可能性があります。
明らかに転売目的で購入し販売した場合には、課税対象となるため注意しましょう。
場合によっては確定申告が必要な例
前述のとおり、生活用動産に該当する物品でも転売目的の場合には確定申告が必要となります。
このように、ケースが異なれば確定申告の必要性も異なる場合があります。
その1つに譲渡所得があります。
一般的に譲渡所得とは土地や建物、株式などの資産を他者に譲渡した際の所得のこと。
一方メルカリにおいての譲渡所得とは、自身が使用する予定で購入したものの使わずに他者に販売した場合のケースを指します。
譲渡所得のタイプは保有期間により2つに分けられます。
1つは5年以内の短期譲渡所得、5年以上は長期譲渡所得です。
この2タイプから譲渡所得の所得金額を算出します。
ただし譲渡所得には年間50万円の特別控除が適用されます。
サラリーマンなど給与所得者の場合
サラリーマンなど会社に属していて給与所得者の場合には確定申告の必要となるラインが異なります。
そのラインこそが20万円なのです。
20万円を超える所得があった場合には、確定申告を忘れずに行いましょう。
メルカリ以外で収入がない場合
フリマアプリ以外に所得がない場合には38万円未満の所得であれば確定申告が不要です。
38万円を超える所得があった場合には、確定申告が必須です。
申告をしていないと脱税になってしまうため注意しましょう。
確定申告の手順
メルカリの確定申告が必要となった場合、以下の手順で申告を行いましょう。
- 確定申告に必要な書類を揃える
- その年の売上げ額と経費を計算
- 確定申告書を記入
- 期日までに確定申告書を税務署に提出
- 期日までに納税を済ませる
では、これらの手順について詳しくご説明します。
確定申告に必要な書類を揃える
確定申告とは、商品の仕入れ・売上・利益などを税務署に報告するために行うものです。
そんな確定申告を行う上で欠かせないのが、書類の存在です。
商品を仕入れた際のレシート。
売上があったことを証明するもの。
経費として計上するための書類(領収書など)。
こうした書類を紛失すると、経費や仕入れの計上ができなくなってしまう可能性があります。
損をしないためにもメルカリを利用する場合には領収書やレシートなど、各種書類を保管しておきましょう。
その年の売上げ額と経費を計算
書類をもとに、1年間の売上額と経費を計算します。
ここでいう1年間とは、確定申告を行う年の前年(2019年に確定申告を行うのであれば2018年分)のことです。
売上額と経費は会計ソフトを使うと、簡単に計算することができますよ。
とくに所得が多い方は、弥生会計やクラウド会計ソフトなどがおすすめです。
確定申告書を記入
売り上げと経費の計算ができたら、申告書に記入します。
申告書は税務署、あるいは税務署のホームページからダウンロードすることが可能です。
会計ソフトを使用している場合には、計算時に記入した内容をもとに申告書を自動作成してもらえるため便利ですよ。
期日までに確定申告書を税務署に提出
確定申告書ができたら、期日までに税務署へ提出しましょう。
基本的な期日は3月15日ですが、念のため税務署のホームページで確認しておく方が安心です。
確定申告の提出方法は3通り。
1つ目は、税務署に直接行く方法。
2つ目は、税務署に郵送する方法。
そして3つ目は、e-Taxで自宅から提出する方法です。
e-Taxはパソコンもしくはスマホで自宅に居ながら確定申告が行える方法で、税務署に出向く手間や待ち時間がないためおすすめです。
ただし、こちらの方法は事前にe-Taxを使用するための登録が必要です。
確定申告が始まる前に手続きを済ませておきましょう。
期日までに納税を済ませる
メルカリで発生した税金は、期日までに納税しなければなりません。
納税の方法は以下のとおりです。
- 税務署もしくは金融機関で払う
- 預貯金口座から振替納税をする
- インターネットで電子納税をする
- クレジットカードで納付する
- コンビニで納付する
納税の期日は確定申告と同じく3月15日となるため、申告書を提出した際に納税も済ませてしまうと良いでしょう。
e-Taxや郵送の場合は、インターネットや出先で税金を納付しましょう。
青色申告と白色申告の違い
最後に、確定申告の種類についてご説明します。
確定申告には以下の2つがあります。
- 青色申告
- 白色申告
上記のうち、青色申告には税金の控除金額が多いというメリットがあります。
その控除額は65万円。
所得税は基礎控除として38万円の枠が設けられているので、青色申告なら合計103万円の控除が認められるのです。
一方、白色申告の場合は控除金額が10万円と青色申告に比べると枠が狭くなります。
ただし、青色申告はやや複雑な複式簿記で申告書を作成する必要があります。
それに対して白色申告は簡易的な単式簿記で良いので、売り上げが控除内に収まるのであれば白色申告でも良いでしょう。]]>