毎年恒例の確定申告まで半年を切りました。
普段から提出書類の作成や必要書類の準備を意識しておくことで、直前に慌てることなくスムーズに申告することができます。
2019年(平成31年、令和元年)分の確定申告期間は、2020年(令和2年)2月17日(月)〜3月16日(月)です。
今回は、確定申告における基本的な提出書類を、白色申告と青色申告の場合に分けて解説していきます。
※副業などをしていて「そもそも確定申告って何?する必要があるの?」という方は、先に以下の記事を読んでみましょう。
目次
確定申告における提出書類の一覧

確定申告には白色申告と青色申告があり、提出書類が一部異なります。
両方の申告における提出書類を以下の表にまとめました。
白色申告 | 青色申告 |
---|---|
確定申告書 | 確定申告書 |
本人確認書類の写し | 本人確認書類の写し |
控除に関する証明書 | 控除に関する証明書 |
収支内訳書 | 青色申告決算書 |
このように、白色申告では収支内訳書、青色申告では青色申告決算書を提出する必要があります。
他に注目すべき点は、2019年4月以降の申告では源泉徴収票の添付による提出が不要となったことです。
ただし確定申告書類を作成する際は、源泉徴収票に記載された情報が必要となる場合がありますので、入手した源泉徴収票は無くさないように注意しましょう。
次に、それぞれの提出書類について詳しく解説をしていきます。
確定申告書

確定申告書にはAとBの2種類があります。
サラリーマンやアルバイトによる給与所得、年金所得のみの人は確定申告書Aを、個人事業主として業務委託を受けている場合など、事業所得のある人はBを使用します。
それぞれの申告書を税務署等で入手し手書きで作成することも可能ですが、国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスすれば、オンラインで作成したものを簡単に印刷することができます。
本人確認書類の写し

本人確認書類として、マイナンバーカードの写し、もしくは番号確認書類の写しと身元確認書類の写しが必要です。
これらの写しを、確定申告書に付随する添付書類台紙へ貼り付けて提出します。
この添付書類台紙も国税庁の確定申告書作成コーナーから印刷できますので、印刷したものに本人確認書類の写しを糊付け添付しましょう。
控除に関する証明書

確定申告をする際に、社会保険料などの支払い証明書を添付書類台紙に添付して提出すれば、所得控除を受けることができます。
証明書の発行される各種控除のうち、主要なものを以下の表にまとめました。
控除の種類 | 内容 |
---|---|
社会保険料控除 |
公的機関や一般企業に勤務する人を対象にした医療保険や、国民年金保険の料金などが対象になります。生計を共にする家族の保険料をあなたが支払った場合も対象です。 |
生命保険料控除 |
自営業の方は、通常10月下旬頃に保険会社から郵送されてくる控除証明書を添付します。 サラリーマンは、この控除証明書を会社に提出することで、年末調整にて控除を受けることができます。提出を忘れた方は別途、還付申告が必要です。 |
小規模企業共済等掛金控除 | 個人型確定拠出年金(iDeCo)や心身障害者扶養共済などが対象になります。 |
医療費控除 |
かかった医療費から受け取った保険料等を差し引いた額、つまりあなたが年間に支払った実質の医療費が10万円以上である場合、控除を受けることができます。生計を共にする家族の医療費もまとめて計算できます。 サラリーマンの年末調整で処理ができないので、控除を受けたい際は別途、還付申告が必要です。 |
地震保険料控除 |
所得税において最大5万円まで、住民税において最大2万8千円まで控除を受けることができます。 サラリーマンは、生命保険の場合と同じく年末調整にて受けることができ、忘れた場合は別途、還付申告をしましょう。 |
寄附金控除 |
地方自治体、公共団体、社会福祉法人などに対して寄付を行った場合に対象となります。ふるさと納税による控除は、ここに含まれます。 |
上の表で示した各種控除を受けるために必要な支払い証明書は、確定申告の時期までに本人宛で届けられるか、自身で申請すれば手に入ります。
この他に知っておきたいことは、国民健康保険の支払い証明書は添付、提出の必要が無いということです。
支払った国民健康保険の金額だけを記載すれば良いので、覚えておきましょう。
寄付金控除のうち、ふるさと納税による控除については、以下の記事も参考にしてください。
収支内訳書(白色申告の場合)
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申告する年度の売上や仕入、かかった経費などの合計額を記入し、トータルの利益を算出するための書類です。
確定申告書には記載をしなかった、細かい事業収支の内訳をこちらに記載します。
この書類も国税庁のホームページにて、オンラインで作成したものを印刷することができます。
青色申告決算書(青色申告の場合)
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白色申告における収支内訳書と同じ役割をする書類です。
ただし、青色申告決算書を作成するには、簿記に関する知識が必須となります。
あなたに簿記の知識がない場合、一番手っ取り早いのは税理士に依頼することですが、この場合、最低でも約5万円はかかってしまいます。
もっと安価に決算書を作成したい場合は、操作の簡単なクラウド会計ソフトを利用して自分で作成するのがベストでしょう。
以下で、簿記知識ゼロの筆者が実際に過去に利用したことのある安価な会計ソフトを、その使用感とあわせて紹介していきます。
クラウド会計ソフトfreee(フリー)
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クラウド会計ソフト大手3社(freee、マネーフォワード、弥生)のうちの1つです。
基本的に、画面に表示された指示の通りにコマンド入力していけば、簿記の知識が全く無くても、確定申告書類の作成を行うことができます。
個人的にもっとも使い勝手が良いと感じたのは、スマホアプリからも書類の作成が可能だった点です。
加えてなんと、レシートや領収書を撮影すれば、AIが自動解析して経費を入力してくれます。
普段からこまめに経費を入力しておくタイプの人には、とても嬉しい機能だと感じました。
無料お試し期間が30日ついており、それ以降は月額980円〜で利用可能です。
個人的にはもっともオススメのソフトですので、迷った際はぜひ一度お試しください。
MF(マネーフォワード)クラウド会計
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こちらも大手3社のうちの1つです。
会計事務所が顧問先にオススメしたいクラウド会計ソフトNo.1とのことで、会計時間を大幅に短縮できることを売りにしています。
機能自体は先ほど紹介したfreeeと遜色なく、スマホアプリでの書類作成や、領収証撮影による自動解析と経費入力も可能です。
画面レイアウトの関係上、使用者によって好みが分かれるかもしれません。
個人的にはfreeeよりも、操作においてやや考える場面が多かったです。
スマホアプリについては、以前はiPhone版のみが公開されていましたが、現在はAndroid版も公開されています。
こちらも1ヶ月の無料期間がありますので、試しにfreeeと一緒にダウンロードし、両方の使用感を味わってみると良いでしょう。
無料期間終了後は、月額1,280円〜で利用可能です。
やよいの青色申告オンライン

クラウド会計ソフトのシェアNo.1であり、今回紹介する中ではもっとも多くの人々に利用されている会計ソフトです。
実際に利用してみたところ、機能面や使い勝手においては、これまでに紹介したfreeeやMFのものとそれほど変わりません。
しかし、この記事を執筆するにあたって公式サイトを訪れてみたところ、1点だけ大きな違いを見つけました。
なんと、2020年3月16日(月)までに申込むと、確定申告書を作成する全ての機能を1年間無料で利用できるとのことです。
先ほど紹介した2つのソフトに比べ、無料キャンペーンの期間が大幅に長いので、この機会にぜひ利用してみることをオススメします。
1年間の無料期間終了後は、年額8,000円〜で利用可能です。
提出書類の準備はお早めに

以上、確定申告における提出書類について解説をしました。
初めて申告される方や、まだ慣れていない方は何かと戸惑うことが多いかもしれませんが、国税庁の確定申告書作成コーナーや各種クラウド会計ソフトを利用すれば、自力で申告することも可能です。
国税庁によると、2019年度(平成31年、令和元年分)の確定申告書類の作成は、申告書作成コーナーにて2020年(令和2年)1月4日以降からできるとのことでした。
申告期間の締め切り直前に慌てないように、1月中には提出書類の準備を始めましょう。
記事内の情報は2019/09/17時点のものです
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